(Photo by ka iso/Creative Commons)
≪医山夜話≫ (32-2)

フィジー への旅

アフリカでの教訓があるため、フィジーに行く前にスーザンは各種の予防注射をしました。薬局で買える塗り薬とスプレー剤を全部買い、完全装備でフィジーに旅立ちました。

 しかし、意外にも彼女が買った日本製と米国製の薬品類は少しも役に立ちませんでした。フィジーの蚊は人間、特に蚊にとって新鮮な匂いを発散する、毛穴が大きく開いた外国人を直撃します。「蚊はカメラさえ見逃しません。もしパソコンに血液が流れているのなら、蚊はきっとパソコンでも刺して噛むに違いありません」と、スーザンの恐怖心は止まらないようでした。

 フィジーから帰ってくると、彼女は自分の体にまつわる問題の深刻さが分かっていたので、誰にも相談せずに直ちに病院に行きました。彼女のひざの3カ所は感染した蚊に刺されていました。この病気は「バンクロフト糸状虫症」と呼ばれ、中国にもあります。末期には、足がバケツの太さまで腫れて、「象皮症」になります。あの寄生虫はリンパ腺の中に繁殖するため、体のリンパ腺のあるところ、どこにでも這っていきます。虫の長さは、非常に長くなります……。

▶ 続きを読む
関連記事
SNSの利用を1日30分に減らすと、1週間で抑うつや不安、不眠が改善する可能性が研究で示唆。若者のメンタルヘルスとスクリーン習慣の関係を解説。
進行が速く「がんの王」とも呼ばれる小細胞肺がん。それでも転移を繰り返しながら長期生存した例があります。免疫療法や最新検査ctDNAの可能性、見逃せない症状と予防のポイントを医師が解説します。
「食物繊維を増やせば大丈夫」は本当?75件超の臨床試験から見えた、便秘改善に有望な食品とサプリとは。キウイやマグネシウム水など、根拠に基づく最新対策をわかりやすく解説します。
離婚率が高まる今こそ見直したい、古典が教える夫婦円満の知恵。「陰陽の調和」や「琴瑟相和す」に込められた意味をひもとき、現代の結婚生活に生かすヒントを探ります。
忘れっぽさは年齢のせいだけではないかもしれません。脳には「夜の清掃システム」があり、睡眠や食事、運動でその働きを高められる可能性があります。アルツハイマー予防につながる最新知見と具体策を解説します。