古代中国の物語

真に民衆のことを考えた政治家

 真面目で勤勉だった司馬光は、中国北宋の儒学者であり、政治家でもあった。 仁宗皇帝は自分が亡くなる前、国有財産から忠実な大臣たちへ褒美を与えるよう命令を下した。司馬光も、褒美を授かる大臣の中の一人だった。 

 仁宗皇帝が亡くなった後に君臨した英宗皇帝は、命令に従って各大臣に褒美を与えようとした。すると、司馬光はため息をつきながら思った。「国の財産は豊かではなく、人民も貧しい生活を送っている。なのに、どうしてこんなに多くの褒美をもらえるだろうか。やはり、褒美は皇帝にお返ししよう」 

 しかし、先皇の意向に逆らうことはできないため、司馬光は褒美を受け取るしかなかった。彼は授かった褒美の大半を朝廷に献上し、事務費として使った。残りの一部は、お金に困っている友人や親戚に送り、彼の手元には一銭も残らなかったという。

▶ 続きを読む
関連記事
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。
髪は見た目以上に多くを語ります。ストレスや栄養状態、環境曝露まで記録する“健康の履歴書”としての可能性と限界を、最新研究と専門家の視点から読み解く注目記事です。
「少量なら大丈夫」は本当?240万人を分析した最新研究が、わずかな飲酒でも認知症リスクが高まる可能性を示唆。脳の健康とお酒の付き合い方を見直すきっかけになる一記事です。
「忙しい=充実」と思っていませんか。最新の研究と実体験から、過度な忙しさが心身や人間関係に及ぼす見えない代償を解説。立ち止まることの本当の価値を考えさせられる一編です。
透析は命を救う治療だが、腎臓が本来持つ「回復力」を見えにくくしてしまうこともある。必要な時だけ透析を行う新たな治療法で、回復率が高まったという研究と、透析を離脱できた女性の実体験。