中国のマンションの写真。イメージ写真(WANG ZHAO/AFP/Getty Images)

中国アパート経営大手、米上場廃止へ 財務情報開示の拒否で

ニューヨーク証券取引所は、中国の長期賃貸アパート仲介プラットフォーム、蛋殻公寓(エッグシェル・アパートメンツ、Eggshell Apartments)の上場廃止の手続きを開始した。同社は米規制当局の要求を無視し、財務状況の報告を拒否したためだ。

4月7日付のサウスチャイナ・モーニング・ポストおよび中国メディア「財新網」の報道によれば、ニューヨーク証券取引所(NYSE)は、エッグシェルアパートメンツ社が長期にわたり義務づけられていた財務報告を開示しないため、3月15日から同社株式の取引を停止した。

エッグシェルアパートメンツは2015年に設立され、わずか数年で業界最大手にまで上り詰めた。最盛期、全国に数十万件のアパートを経営していた。2020年1月、ニューヨーク証券取引所に上場した。2020年の第1四半期には約1.88億ドルの純利益損失を計上していたが、それ以降、決算報告を行っていない。

米規制当局が行動を起こす

米証券取引委員会(SEC)は3月24日、3年連続で米国の監査基準を満たさない外国企業を米国内証券取引所から締め出す規制を導入した。SECの同規制は、昨年12月にトランプ前大統領の署名を経て成立した「米市場に上場する中国企業への監査を強化する法案」に基づいている。

SECの規制では、企業は外国政府の事業体に所有・支配されていないと証明する必要があるほか、外国政府の影響に関する情報開示が義務付けられる。

取引が停止された3月15日、エッグシェルアパートメンツの株価は上場時に比べ82%も下落した。

エッグシェルアパートメンツは他の多くの中国株と同様、中国共産党組織を設置している。同社は2018年6月に党支部を設立した。

エッグシェルアパートメンツは4年連続で赤字、コロナ禍で大打撃

エッグシェルアパートメンツは、ニューヨーク証券取引所に上場する前後にも赤字を出し続けていた。2017~20年の第1四半期末までの累積損失は63.03億元で、資産負債率は97.06%である。

2020年1月に1株あたり13.5米ドルの発行価格でニューヨーク証券取引所に上場した後、同社の市場価値はかつて24億米ドルにまで達したこともある。しかし、中共ウイルス(新型コロナウィルス)の影響により、株価は急落し、最大で発行価格から90.6%も下落していた。また昨年6月、創業者兼CEOの高靖氏が突然、調査のために当局に連行された影響で、全ての融資が中断し、資金調達ができなくなった。

2020年10月、エッグシェルアパートメンツの破産の噂が広まり始めた。同社による家賃の前徴収、家賃滞納など様々なトラブルが起きた。その後、複数の上級幹部が退職し、各地のオフィスが閉鎖され、会社は実質上の倒産状態となった。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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