チベットの光 (39) 偽りの手紙

マルバ・ラマは毎月の十日に法会を開いていた。毎回の法会には多くの弟子たち、ラマ、村民たちが一同に集まり、佛を礼拝して経典を読誦した。この月の十日、師母はたくさんの酒肴を用意した。儀式が終了してからは、ラマ同士が互いに酒を酌み交わし、マルバ師父もまた酩酊したが、師母とウェンシーは酔ったふりをして、実際には酔っていなかった。

 このとき、師母はこっそりと師父の部屋に忍び込み、小箱の中から師父の印章とノノバ大師の身荘厳(※1)、赤い宝石の印をとりだした。ラマたちは全員が熟睡し、雷のような鼾をたてていた。

 師母はかねてから準備しておいた偽の手紙に師父の印章を押して封じると、その印章をこっそりと小箱の中に戻した。彼女は、偽の手紙、身荘厳、赤い宝石を布に包むと、その口を蝋で塞ぎ、これをウェンシーに渡して言った。「アバ・ラマのところに行って、これは師父からラマへの供養ですと言いいなさい。皆が目を覚まさないうちに、早く行きなさい!」

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