<オピニオン>
セーフスペースが言論の自由を奪う
オックスフォード辞典によると、セーフスペース(安全な空間)とは「差別や批判、嫌がらせに晒されることのない環境」を指す。これは社会的少数派が安心して自分を表現できる場所であり、言論の自由を追求するのが前提だ。しかし、アメリカの大学に出現したセーフスペースは、その理想を放棄したようである。
大学のセーフスペースはオープンな表現を促進するよりも、反対意見を封じ込めることに特化している。「不快感を与える可能性がある」という理由で反対のイデオロギーを遮り、学生を保護している。その結果、学生は居心地のいいバブルに包まれ、自分と違う意見を聞くことができなくなった。大学は、閉鎖的なコミュニティの中で同じ意見ばかりが響きあう「エコチェンバー現象」に陥っている。
2015年、ニューヨーク・タイムズはブラウン大学での講演会を巡るセーフスペースについて報道し、注目を集めた。大学側は学生が講演者の言葉に傷つくことを懸念し、感情を落ち着かせるための枕、毛布、音楽、子犬のビデオ、クッキー、塗り絵、粘土を用意した。以来この現象は全米に広がり、ますます愚かさを増した。学生を知的不快感から守るために、大学は講義案内にトリガー警告(閲覧注意)を付け、スピーチ・ポリシーで講師の発言を制限するようになった。
関連記事
三年もの間、民の課役をゆるし倹約を貫いた仁徳帝。民の竈の煙に安らぎを見いだしたその御心は、豊かさの本質を問い直す今の日本にも静かに響いている
中国で利益を得られるのは「一時的」。技術を奪われ、市場は最終的に中国企業のものになる。西側企業は今ようやく、この現実に気づき始めた
浜崎あゆみの上海公演が中共の意向で急遽中止。しかし彼女は観客なしで本番同様のライブを完遂し、世界から称賛を集めた。中共は虚偽説明で一時しのぎのごまかしを図るも、浜崎の冷静な対応が評価を高めた
中国共産党軍は日本を恫喝するも、その実態は装備・組織面で脆弱。日中が衝突すれば、中国側の実力不足が露わとなり、宣伝とは逆に軍の限界が明確にされる状況にある
大学側は、中国共産党政権にとって不都合だと見なされる論文を教授陣が出版することを阻むべきではない。