台湾、欧米で「中国語センター」設置を推進 孔子学院への対抗策

台湾の僑務委員会は19日、「海外における中国語教育の推進」をテーマにしたオンラインセミナーを開催し、欧米に「台湾中国語学習センター」を設置することを明らかにした。近年、中国政府が世界各国で開設している、中国語教育機関・孔子学院は、共産党政権プロパガンダの一環と問題視され、台湾政府が主導する中国語を学習するセンターの展開は孔子学院への対抗策とみられる。

「僑務委員会(OCAC)」とは、海外に居住している華僑や中国人などの在外同胞に関わる業務を所管する行政院(内閣)の直属機関である。

「孔子学院」へのボイコット、米台間で「教育イニシアチブ」に署名

同学習センター立ち上げの背景には孔子学院の存在があった。僑務委員会の童振源委員長は会議で「中国は近年、世界中で孔子学院を設立して、イデオロギーを広め学問の自由を妨害している。国際社会から閉鎖を求める声が絶えない」と指摘した。

前米国務長官のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)氏は2020年10月、米国の学校に対し、孔子学院を閉鎖するよう呼びかけた。米政府は同年10月に「言語学習プログラム」を発表し、中国以外から中国語学習の機会を増やすことに重点を置いた。同年12月2日、米台間で「教育イニシアチブ」が署名された。

同委員長は、「民主と自由の理念に基づく同センターは、台湾の質の高い中国語教育が世界各国で大きな発展空間を持つだろう」と期待している。

僑務委員会は海外の華僑学校の発展を支援

童氏によると、今回の推進計画は主に欧米で展開される予定だという。既存の中国語学校が学習センターの設立を支援する。今後、海外の台湾人教師の資格審査を強化していく。

僑務委員会は現在、世界50カ国の華僑学校1054校と交流を持ち、うち欧米にある429の華僑学校で教職に就いている台湾系の教師は600人以上いるという。

華僑文教中心(OCAC)の黄正傑専門委員は会議で、「中国の孔子学院とは異なり、台湾には真の民主と自由がある。文化の普及と中国語教育に積極的に取り組んでいく」と述べた。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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