中国の自動車メーカー、初代「ビートル」を盗作か 独VWが調査へ
中国の自動車メーカー、長城汽車(GWM)の盗作スキャンダルが話題になっている。同社が上海モーターショーに出展したEV車はドイツのフォルクスワーゲン(VW)社の「ビートル」と酷似しており、物議を醸している。フォルクスワーゲン社は調査に乗り出すと発表した。
自動車情報系ウェブサイトCarscoopsの報道によると、4月21日~28日まで開催される上海モーターショーで、長城汽車のORAブランドの新型EV「パンクキャット(Punk Cat)」の外観から内部構造まで、フォルクスワーゲン社の初代「ビートル」(Volkswagen Beetle)と酷似しているとして注目を集めているという。
対比図によれば、「パンクキャット」の丸型ヘッドライトやボリュームのあるフェンダー、さらには美しい円弧を描くルーフラインまで、「ビートル」と多くの共通点が見いだせる。「そっくり」という印象を受ける。
「パンクキャット」の盗用疑惑を受け、フォルクスワーゲン社はメディアに対し、「同社の特許を侵害する行為については、調査を行い、必要な法的措置を講じる権利を留保する」と表明した。
フォルクスワーゲン社は2019年にビートルの生産を終了したものの、デザイン権は同社が所有している。また、同社は将来的に電気自動車として「ビートル」を復帰させようとしている。
長城汽車のORAブランドの新型EV「パンクキャット」(右)は、フォルクスワーゲン社の「ビートル」(左)の模倣版だと非難されている(SNSウェイボーのスクリーンショット)
2019年のフランクフルト国際モーターショーで、フォルクスワーゲン社はビートルを電動化した「e-Beetle」を披露した。また、2020年には「e-Beetle」の名称で商標登録している。
今回、盗作疑惑のある「パンクキャット」も電気自動車であるため、その発売は物議を醸しており、長城汽車は訴訟に直面する可能性がある。
「パンクキャット」だけではなく、長城汽車が今回の上海モーターショーに出展した「WEI Tank 800」や「ライトニングキャット」などの車も模倣品の疑いがある。
中国最大のQ&Aサイト「知乎(Zhihu)」に掲載された対比図は、「ライトニングキャット」の外形がポルシェ989と酷似していることや、「WEI Tank 800」の外形が英ブランドのロールス・ロイス カリナンと非常によく似ていることを示した。
中国のSNSウェイボーのユーザーは「WEI Tank 800」を「中国版カリナン」と呼んだ。
中国の自動車メーカーが国際ブランドを「コピー」するのは珍しいことではない。
台湾のニュースサイト「ETtoday」は、「陸風X7(ランドウインドX7)」はレンジローバー・イヴォークと、「北京BJ80」はメルセデス・ベンツ Gクラスと、「吉利ジーリー」はロールス・ロイス ファントムと、「東風EQ2050」はハマーH1と酷似していると指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)