在米中国人男性は28日、米国の海洋技術を中国に密輸した疑いで起訴されている。写真は水中ドローン、イメージ写真(LSIS Bradley Darvill/Australia Department of Defence via Getty Images)

米在住の中国人実業家、海洋技術の密輸を認める 「中国海洋兵器開発の歯車の一つ」

米国在住の中国人実業家、覃樹仁(Shuren Qin、音訳)被告が28日、ボストンの連邦裁判所で米国の海洋技術を違法に中国に輸出した罪を認めた。

同被告は、米企業から水中音の検出および監視に使用される機器「ハイドロフォン」を60個購入するために虚偽の出荷情報を使用したことを認めた。

覃被告は購入の際、中国民用技術の研究のためだと米企業に嘘をついた。しかし最終的に、これらの機器は必要な輸出許可を得ずに、軍事研究および水中ドローンの開発に関わっている中国共産党の研究所に送られた。

同被告はさらに、水中ドローンやロボット船なども中国に輸出していた。2015~18年にかけて、中国政府が管理する企業や研究機関に総額800万ドルの製品を提供した。買い手には中国海軍の南シナ海艦隊や海軍潜水艦学校などが含まれている。同被告は2018年に起訴された。

マサチューセッツ州ウェルズリーに住む覃被告は、2014年に米国の永住権を取得した。中国を拠点に複数の会社を経営しており、主に米国や欧州から水中および海洋科学技術製品を輸入している。所有する企業の一つである「海洋鏈技術公司」の顧客に中国共産党の研究機関や海軍の作戦部門などが含まれる。

覃被告、中国の海底ドローン兵器計画に協力

起訴状は、覃被告は中国の軍用水中ドローンの開発計画に「歯車の一つ」として協力していたと指摘した。

同計画の一部は、米国およびその同盟国から先端技術を獲得することを前提としている。

起訴状は、中国の軍事研究機関である西北工業大学(中国西安)が対潜水艦戦に使用される製品の入手を同被告に任せ、米国の製造業者からハイドロフォンを入手したと述べた。中国の国防7大学の一つに数えられる同大学も起訴されたが、出廷しなかった。

覃被告は司法取引の下で、米輸出規制違反の共謀、ビザ詐欺、政府当局者への虚偽証言、マネーロンダリング、密輸などの罪を認めた。懲役7年程度の量刑になる見通しだという。

近年、類似する事件が米国で多発している。2016年、中国出身の孫復儀(Fuyi Sun、音訳)氏は航空宇宙技術や軍用ドローンに使用されるToray型M60JB-3000-50Bの炭素繊維を購入しようとして逮捕された。2017年4月に有罪を認め、のちに懲役36カ月の刑を言い渡された。刑期終了後に中国に送還された。

(大紀元日本ウェブ編集部)

 

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