チベットの光 (66) 所詮は小術
「見るな!見て何が面白いんだ!シャアツェのバイツォンヤンの婆さんが悪魔みたいな餓鬼を生みやがって。餓えても死なない『悪魔のミラ』とは、あいつのことだ。大方そんなことだ。いいか、おまえも気をつけろよ。あいつにつきまとわれないようにしろ。早く奴にはかまわず、さっさと畑を耕せ」。彼の父親は上を見上げず、みて見ぬふりをして言った。元来、彼は叔父の一派で、それゆえミラレパを恐れていた。彼は自分の子に警告を発しながら、一方では身を避けるようにし、彼の影のさすのを恐れていた。
「ああ!生きている生身の人間が空を飛んでいるなんて、なんて不思議なことなんだ!もし空を飛べるんだったら、僕は片足がなくなってもいいよ。ああなれたらなぁ」、子供は完全に父親の話を無視し、畑を耕さずに空中を飛行するミラレパを見つめていた。
ミラレパは戻った後に思った。私は現在自在に飛行することができるようになって、行きたい所には行けるようになった。現在では、衆生を救い、衆生に法を説く力量を得たのだ。しかし、そう思ったとき、面前に仏陀が顕れ、彼に言った。
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