チベットの光 (66) 所詮は小術

「見るな!見て何が面白いんだ!シャアツェのバイツォンヤンの婆さんが悪魔みたいな餓鬼を生みやがって。餓えても死なない『悪魔のミラ』とは、あいつのことだ。大方そんなことだ。いいか、おまえも気をつけろよ。あいつにつきまとわれないようにしろ。早く奴にはかまわず、さっさと畑を耕せ」。彼の父親は上を見上げず、みて見ぬふりをして言った。元来、彼は叔父の一派で、それゆえミラレパを恐れていた。彼は自分の子に警告を発しながら、一方では身を避けるようにし、彼の影のさすのを恐れていた。

 「ああ!生きている生身の人間が空を飛んでいるなんて、なんて不思議なことなんだ!もし空を飛べるんだったら、僕は片足がなくなってもいいよ。ああなれたらなぁ」、子供は完全に父親の話を無視し、畑を耕さずに空中を飛行するミラレパを見つめていた。

 ミラレパは戻った後に思った。私は現在自在に飛行することができるようになって、行きたい所には行けるようになった。現在では、衆生を救い、衆生に法を説く力量を得たのだ。しかし、そう思ったとき、面前に仏陀が顕れ、彼に言った。

▶ 続きを読む
関連記事
運動、仕事、学び、片づけ。成果を生む共通点は「完璧にやる」ことではなく、定期的にその場に立つことだった。
肌のくすみは紫外線だけでなく、睡眠不足や光刺激、ホルモン変化でも進行する。皮膚科医が、安全に透明感を回復させる正しいケアと注意点を解説。
「天然で安全」は本当?大規模研究が、メラトニンの長期常用と心不全リスク上昇の関連を示唆。睡眠サプリの思わぬ落とし穴と、賢い付き合い方を考えるための重要な一報です。
冬は気分の落ち込みや筋骨の弱りを感じやすい季節。チンゲン菜・しいたけ・厚揚げを組み合わせ、肝の滞りをほどき腎を養う冬向きの養生料理を紹介します。
世界の健康食物ランキングで、アーモンドが首位に。さらにラード(豚の脂)もトップ10入りし、健康常識の見直しを促す結果となった