ワクチン特許放棄、EUも検討の用意 モデルナ「供給増えず」

[ブリュッセル/ジュネーブ/フランクフルト 6日 ロイター] – 欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会のフォンデアライエン委員長は6日、米国が支持を表明した新型コロナウイルスワクチン特許の一時放棄を巡り「検討する用意」があると明らかにした。

バイデン米大統領は5日、世界貿易機関(WTO)で提案された新型コロナワクチン特許の一時放棄を支持すると表明。ワクチン不足を背景に、100を超える国から特許放棄を求める声が高まっていた。

イタリアはワクチン特許の一時放棄を支持。ドイツのシュパーン保健相は、世界にワクチンを普及させることを目指すバイデン大統領の目標を共有すると述べた。

フランスのマクロン大統領も特許放棄に支持を表明。しかし、仏政府高官は、問題は特許でなく、ワクチンの生産能力や原料の欠如と指摘。さらに「米国はこれまでに他国にワクチンを分配していないことを忘れてはならない」と述べた。

製薬業界は、ワクチン特許の一時放棄が脆弱(ぜいじゃく)な供給網を混乱させる恐れがあると警告。特許を放棄する代わりに、富裕国はより幅広く、途上国にワクチンを分配すべきと主張した。

新型コロナワクチンを手掛ける米モデルナは、特許権を放棄しても、2021、22年のワクチン供給増にはつながらないとの見通しを示した。

バイデン大統領がワクチン特許一時放棄に支持を表明したことが嫌気され、株式市場では6日、モデルナ、米ファイザー、独ビオンテックの米上場株、米ノババックスが軒並み4─10%下落した。

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