米国のブリンケン国務長官(Photo by JACQUELYN MARTIN/POOL/AFP via Getty Images)

中国が台湾侵攻なら「非常に重大な過ち犯す」 ブリンケン米国務長官が警告

米国務省は3日、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)のインタビューに応じたブリンケン国務長官の発言を公開した。長官は、中国の習近平国家主席が台湾侵攻を命じた場合、「非常に重大な過ち(very serious mistake)」を犯すことになると警告した。

「企業は、台湾をめぐる中国との紛争に備えるべきだと思うか」とのFT紙の質問に対して、ブリンケン氏は、「私たちは長年にわたって、台湾関係法と3つの米中コミュニケ、6つの保証で構成される『一つの中国政策』を貫いている」と強調した。

長官はまた、「私たちは台湾との関係をうまく、そして効果的に管理していると思う。しかし、非常に厄介で気になるのは、中国側が異なるアプローチをとり、(台湾問題において)攻撃的に行動していることだ」と批判した。

長官は、バイデン政権が「台湾が自衛手段を持つことを約束している。このコミットメントは消えることはない」とし、「誰かが力ずくで現状を打破しようとするのは、非常に重大な過ちだと思う」との見方を示した。

ブリンケン氏は4月11日、米NBCテレビのインタビューにおいても、中国当局が台湾海峡で「攻撃的な行動をとっており、海峡での緊張を高めていることに懸念している」「いかなる人でも武力で現状を変えようとするのは大きな過ちを犯すことになる」と述べた。

いっぽう、長官はFT紙のインタビューで、米中関係が冷戦に陥っていることに否定的な見解を示し、また、米政府が各国に対して、米国と中国のどちらかにつくよう求めていることも否定した。

長官は「中国を含め、各国との関係は複雑であることを認識している」としたが、各国は中国との経済関係を「断ち切ったり、終わらせたりする必要はない」と話した。同氏はさらに、米国は投資基準や環境問題、労働者権利や知的財産権などに関する基本的なルールを促進し、保護したいと示した。

ブリンケン国務長官のこの認識について、米ジョージタウン大学のエバン・メデイロス教授はFT紙に対し、「中国に関して今、誰もが選択しなければならないのが現実だ」との見解を示した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]
上川陽子外務大臣は、パナマ在留邦人及び進出日系企業関係者と昼食会を実施した。日・パナマ間の経済分野における協力の可能性や課題、教育などについて、意見交換を行った。