≪医山夜話≫ (60)
まぐれ当たりの治療法
私の小さかった頃、中国はちょうど「読書は無用」のご時世だったので、時間を持て余すことが多々ありました。私はよく母が勤めている診療所に行き、漢方薬の薬の香りを嗅いだり、時には細々とお手伝いなどもしていました。そこにいた医者たちは、よく麦門冬、ナツメ、甘草などの薬草を、おやつとして私にくれました。それらはほんの少し甘味があり、子どもの私にとってひとつの楽しみでした。
その頃、医師同士の会話を耳にする機会も多くありました。「あの患者の下痢は、いろいろ処方を試してみたが症状が良くなったり、悪くなったりで、治りませんでした。ある日、思い切って彼の薬の中に大黄を加えてみたら、一度だけ猛烈な下痢をしただけで、その後二度と再発していません……」。こんな「まぐれ当たりの治療法」の会話を多く聞きましたが、患者を治療する際に一つの方法にこだわるべきではないことを、子供ながらに知りました。それは、後に私が医者となって患者を治療する上で、ひとつの教訓となりました。
祖母から聞いた同じような話
関連記事
基隆の海鮮の美味しさ、私だけが知っているなんてもったいないです。今回は基隆の八斗子漁港へ足を運びました。地元ガイドさんに案内してもらい、彼の心温まるもてなしで八斗子漁港の絶景を存分に楽しみました
紀元前6世紀のアテナイで、深刻な貧富の格差から生じた負債奴隷の危機を救った伝説の政治家ソロン。独裁を拒み、富裕層と貧困層の「共通の盾」として中庸を貫いた彼の法改革と、正義を重んじた生涯を解説
魚に含まれるオメガ3脂肪酸やコリンは、子どもの脳や行動の発達に関わる可能性があります。研究結果と注意点、食べやすくする工夫をあわせて紹介します。
その不調、実はストレスではなく神経のサインかも?闘争・逃走モードにとらわれた体が発する9つの兆候と、気づくためのヒントをやさしく解説します。
子どもに本物の芸術体験を――その第一歩は家庭から。日常の中で無理なく文化に触れられる8つのアイデアを通して、感性と好奇心を育てるヒントを紹介します。