【医学古今】
疫病と闘う漢方医学の知恵
急性、発熱性、強い伝染性がある病気は、漢方医学では「疫病(やくびょう)」と称します。春の時期に発生した疫病は、「春温」また「温疫」、「時行」とも言います。以前、韓国で流行っていたMERS(中東呼吸器症候群)は「春温」の理論を参考にして治療対策を講ずることが可能だと思います。
温病理論の中に「温邪上受、首先犯肺」という言い方があります。つまり、春温の症状は先ず呼吸器から始まるという意味です。MERSに見られる高熱、咳、呼吸困難などの症状は、「春温」でもよく見られる症状です。
治療は清温解毒の方針で行いますが、よく使われる処方は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」であり、これを基礎処方として加減すれば、「春温」初期の症状にほぼ対応できます。咳、呼吸困難などの症状が強い場合、「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」という処方と合わせて使えば、より効果的でしょう。
関連記事
抜け毛や白髪は年齢だけの問題ではないかもしれません。中医学では、髪の状態は「腎のエネルギー」と深く関係すると考えられています。下半身の簡単なストレッチが、髪の健康を支えるヒントになる可能性も。
髪は見た目以上に多くを語ります。ストレスや栄養状態、環境曝露まで記録する“健康の履歴書”としての可能性と限界を、最新研究と専門家の視点から読み解く注目記事です。
「少量なら大丈夫」は本当?240万人を分析した最新研究が、わずかな飲酒でも認知症リスクが高まる可能性を示唆。脳の健康とお酒の付き合い方を見直すきっかけになる一記事です。
「忙しい=充実」と思っていませんか。最新の研究と実体験から、過度な忙しさが心身や人間関係に及ぼす見えない代償を解説。立ち止まることの本当の価値を考えさせられる一編です。
透析は命を救う治療だが、腎臓が本来持つ「回復力」を見えにくくしてしまうこともある。必要な時だけ透析を行う新たな治療法で、回復率が高まったという研究と、透析を離脱できた女性の実体験。