(Photo by Chung Sung-Jun/Getty Images)
【医学古今】

疫病と闘う漢方医学の知恵

急性、発熱性、強い伝染性がある病気は、漢方医学では「疫病(やくびょう)」と称します。春の時期に発生した疫病は、「春温」また「温疫」、「時行」とも言います。以前、韓国で流行っていたMERS(中東呼吸器症候群)は「春温」の理論を参考にして治療対策を講ずることが可能だと思います。

 温病理論の中に「温邪上受、首先犯肺」という言い方があります。つまり、春温の症状は先ず呼吸器から始まるという意味です。MERSに見られる高熱、咳、呼吸困難などの症状は、「春温」でもよく見られる症状です。

 治療は清温解毒の方針で行いますが、よく使われる処方は「銀翹散(ぎんぎょうさん)」であり、これを基礎処方として加減すれば、「春温」初期の症状にほぼ対応できます。咳、呼吸困難などの症状が強い場合、「麻杏甘石湯(まきょうかんせきとう)」という処方と合わせて使えば、より効果的でしょう。

▶ 続きを読む
関連記事
研究では、生物学的年齢は生活習慣によって変わることが判明。運動、食事、睡眠、喫煙・飲酒の回避、ストレス管理の5つを改善するだけで、老化を遅らせ、寿命を延ばす可能性が示された。習慣の見直しは何歳からでも効果があるという。
初めての心不全・脳卒中の影に、実は99%以上が共通の4つの兆候を抱えていた――最新研究が示した「見逃しやすい危険信号」と、予防のために今すぐ見直すべき生活習慣をわかりやすく解説します。
人気食材アボカドには、歴史・性の健康・怪我・アレルギー・動物毒性まで意外すぎる秘密が満載。読むほど驚きが続く「7つの知られざる真実」をご紹介します。
数百年前の喫煙習慣が、なんと骨にまで刻まれていた──。最新研究が明かした「骨が語る喫煙の記憶」は、健康観を揺さぶる驚きの事実です。
浜崎あゆみの上海での公演がキャンセルされた後の行動に称賛が集まっている。中共政府の常軌を逸した日本への外交攻撃に巻き込まれたが、今回のトラブルはかえってチャンスを広げる結果となるかもしれない。