≪医山夜話≫ (58)

患者からもらった玉子

私の小さい時の話です。ある日、母と買い物をするために街に行きました。そこで、変な歩き方をしている王さんを見かけたので、母は持っていた買い物かごを私に持たせ、「王さん、どうしたのですか。どこか痛いのですか?」と聞きました。王さんは頭を上げて、目の前いる母に気づくと、まるで救いの神が見えたかのように、「先生、この数日は湿気で寒く、体が冷え込んでしまいました。そこにまた豆炭をリヤカーで運ぶ時、いつもより数回多く引いたので、腰をねじって立ち上がれなくなってしまいました。私は医療保険を持ってないし、また旧正月が迫ってきて、病院に行くお金もなくて…」。彼が懐の中から布を取り出すと、中にはほんの僅かなお金が入っていました。王さんは母を見て、ため息をつきながら頭を振りました。

 母は、直ちに王さんを家へ連れてくると、鍼を刺し入れて吸い玉をかけました。しばらくすると、腰を屈めて家に入った王さんの腰はまっすぐになり、王さんは母に感謝の言葉を連発しました。

 数日後、王さんは玉子がいっぱい入った籠を提げて家に来ました。田舎の親戚が持ってきたお土産で、母が治療してくれたことに感謝するためと言って、母に受け取ってほしいと懇願しました。しかし、母が断るので、彼と母は再三に譲り合いました。受け取らないと王さんが怒りそうになるのを見て、母は仕方なく玉子を受け取り、代わりに旧正月のために作った塩漬けの魚を一本、王さんに持って帰ってもらいました。

▶ 続きを読む
関連記事
コミットメントは不自由ではなく、関係を育てる土台になることがあります。意見の相違から逃げず、相手を理解しようとする姿勢が、より深い安心感と絆を生みます。
新研究では、話せる言語の数が多い人ほど、脳が実年齢より若く見える傾向が示されました。言語学習は記憶、注意、判断、社会的交流を同時に働かせる可能性があります。
飛行機に乗る時、座席の移動や荷物整理、搭乗後のトイレ利用が、思わぬ遅延につながることがあります。客室乗務員が困る3つの行動を紹介します。
大暑は高温多湿で体力を消耗しやすい時期です。中医学では、脾胃を養い、体内の湿気を取り除く食養生を重視します。冷たい飲食や過度な発汗にも注意が必要です。
身近なフライパンや食品包装、衣類などに使われるPFASは、「永遠の化学物質」とも呼ばれ、体内に蓄積する可能性が指摘されています。日常で気を付けたい製品や健康への影響、曝露を減らすための実践的な対策を紹介します。