バングラデシュのA.K.アブドゥル・モメン(A. K. Abdul Momen)外相(MARK SCHIEFELBEIN/AFP via Getty Images)

中国大使、「クアッド参加はダメージ」と脅迫、バングラデシュ外相反発

中国の李極明(り・きょくめい)駐バングラデシュ大使は10日、米国主導の4カ国戦略対話「クアッド」に参加した場合、中国とバングラデシュの関係は「大きなダメージ」を受けるだろうとバングラデシュ外相に警告した。同国外相は「バングラデシュは主権国家であり、外交政策について指図は受けない」と猛反発した。

李大使は同時に、中国は中共ウイルス(新型コロナウイルス)の対策においてバングラデシュに支援を提供すると発言し、同国に取り入ろうとした。

バングラデシュでは約77万5千人が中共ウイルスに感染し、1万2千人が死亡した。

同国のA.K.アブドゥル・モメン(A. K. Abdul Momen)外相は李大使の脅迫に対して、不満を表明した。同氏は、「我々は独立した主権国家だ。我々の外交政策は我々が決定する。どの国も自分たちの立場を守れる。我々は国民と国の利益を念頭に決定を下す」と述べた。

モメン氏はまた、「バングラデシュはまだクアッド加盟国から参加への打診を受けていない。なぜ中国大使が最初にこの問題を提起したのか、疑問だ」とし、「李氏のコメントは時期尚早だ」と不快感をあらわにした。

国際秩序を脅かす中国に対抗するため結成された「クアッド(Quad・日米豪印の4カ国安保協議体)」を、中国は恐れている。

李極明大使は、「クアッドは中国に対抗している。それが日本も加わった理由だ」と述べた。同氏はバングラデシュに対し、いかなる形でもクアッドに参加してほしくないと警告した。

同大使がなぜ、バングラデシュとクアッドに矛先を向けているのかは不明だ。

米国のバイデン政権は、クアッドは今後数年間、インド太平洋地域において、中国に対する多角的な戦略連携の「死活的な舞台」と位置付けている。

(大紀元日本ウェブ編集部)

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