米政府、成都市「610弁公室」元責任者を制裁 法輪功迫害に関与
米国のブリンケン国務長官は12日、中国の伝統気功、法輪功の学習者への迫害に関わったとして、四川省成都市の当局者1人とその家族に制裁を科すと発表した。
制裁を受けたのは「邪教問題の防止と対応指導チーム」弁公室の元主任、余輝(Yu Hui)氏。制裁は「2021年 米国外務・関連プログラム歳出法(Foreign Operations and Related Programs Appropriations Act、2021)」第7031(c)条に基づいて発動した。ブリンケン長官は同日の記者会見で、同氏が法輪功学習者を恣意的に拘禁したことの関与を認定と発表し、「余氏とその家族の米国入国を禁止する」と述べた。
中国共産党中央の「邪教問題の防止と対応指導チーム」は610弁公室とも呼ばれる。江沢民元総書記が法輪功学習者を迫害するために1999年6月10日に設置した法外機関だ。
国際NGO団体、法輪功迫害追跡国際組織(WOIPFG)によると、余氏は2016年8月~17年7月まで、成都市「610弁公室」の主任を務めた。同氏は現在、同市ハイテク産業開発区管理委員会主任のポストに就いている。
法輪功情報サイト「明慧網」3月8日付によれば、世界38カ国の法輪功学習者が「610弁公室」の責任者や関係者のリストを各国政府に提供し、制裁を下すよう求めた。リストは中央から末端まで中国各政府レベルの「610弁公室」の幹部と職員約9300人の名前を掲載している。
ブリンケン長官は記者会見で、中国などの国で人権侵害に関わった責任者を追究するため、「あらゆる適切な手段を検討していく」と述べた。
国務省は同日、「2020年 国際信教の自由報告書」を公開した。
大紀元コメンテーターの秦鵬氏は、制裁措置の発表は、バイデン政権が前政権に続き、法輪功学習者を支持する姿勢を反映したと指摘した。「長官は中国当局に対して、バイデン政権は法輪功学習者を迫害する中国高官を取り締まっていくという明白なメッセージを送った」
トランプ前政権下の国務省は昨年12月10日、人権侵害に関与したとして、中国を含む一部の国の政府高官ら17人に制裁を科した。そのうち、中国福建省厦門市公安局(警察署)梧村派出所のトップである黄元雄氏は法輪功学習者の迫害に関わったとして制裁対象に指定された。
秦氏は、「余輝氏は黄元雄氏より地位が高いため、法輪功などの人権問題において米現政権の譲らない姿勢を見て取れる」とした。
(翻訳編集・張哲)