聖母子像(ディルク・ボウツ 1410-1475年頃/Metropolitan Museum of Art via Wikimedia Commons/public domain)
<オピニオン>

醜悪を追及する現代芸術

パンデミックによる世界的な混乱が続いているが、昔の生活と比べれば、我々は遥かに恵まれている。人間は常に「完璧な世界」を求めて現状を評価しがちだが、そんな世界はこれまでにも、そしてこれからも決して存在しない。

先日、私はコペンハーゲンにあるアートギャラリーの広告を見て衝撃を受けた。展覧会のタイトルは「Mother!」(母親)で、母性をテーマとする作品が並んでいる。ここでは、妊娠して静脈瘤になった母親の切断された足が何本もぶら下がっている作品については言及しない。私が注目したのは2枚の絵画である。

ひとつはディルク・ボウツ(1410~1475年頃)の『聖母子像』で、もうひとつはアリス・ニール(1900~1984年)の『ジニーとエリザベス』である。この2人の画家を隔てた500年は、乳幼児の生存率や生活水準が飛躍的に向上した時期である。

▶ 続きを読む
関連記事
中国が潜水艦発射型ICBMを太平洋で試射。核戦力誇示、軍内部統制、対米交渉戦略という三つの狙いを軸に、国際社会への影響とリスクを読み解く
比中仲裁判断から10年。日本や同志国が「法の支配」を訴える裏で、赤龍・中国共産党は国際法を嘲笑い、軍事化を強行している。法律を「支配の道具」と見なす彼らの本性と、人類壊滅を狙う驚愕の陰謀を暴く
米国の政治論議には、攻撃される側よりも攻撃する側について多くのことを物語る、奇妙な儀式がある。彼らはトランプ氏の知性について語るが、彼らの知性は果たしてどれほどのものなのだろうか
キューバ革命とベネズエラの激変を検証し、過激な政治変革が単なる「赤貧」ではなく、格差の可視化や「道徳の空洞化」から生まれるメカニズムを解明。混迷する現代の西側社会や日本に警鐘を鳴らす
欧州は非常に怒っている。欧州はいつも怒っている。欧州各国は米国全般、とりわけドナルド・トランプ大統領に対する激しい怒りを表明している。しかしその理由は…