4月、第19回上海国際自動車工業展覧会(上海モーターショー2021)が上海で開かれた(HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)
朝香豊コラム

反テスラのクレーム女子騒動から見る、中国経済の先行き

中国で、実業家イーロン・マスク氏が率いる米電気自動車大手「テスラ」をめぐる騒動が勃発したことはよく知られている。今回はこのことが意味する中国経済の先行きを考えてみたい。

旧正月の連休最終日の2月21日、河南省安陽市に住む中国人家族4人は、所有するテスラの主力型「モデル3」を運転して郊外から自宅まで戻る途中、交通事故を起こした。モデル3は国道341号線を走行中、前方を走る複数の車に衝突したのち、ガードレールにぶつかり、ようやく停止した。運転手は中年の父親で、母親は全身打撲、父親は軽度の脳震盪を起こしたが、幸い命に別条はなかった。

家族は、事故原因はテスラのブレーキの不具合にあると主張した。そして、運転手の娘だという20〜30代の女性は、テスラに対する抗議運動を始めた。

▶ 続きを読む
関連記事
中共が加える力が大きくなるほど、日本で生じる反作用も大きくなる。これまでのところ、中共は望みを実現できていないばかりか、逆に少なくとも6つの悪影響をもたらした
外交では、握手と署名が「決着」を意味するとは限らない。同じ合意を、一方は和平と見なし、他方は次の一手のための時間と見ることがある。トランプと習近平は、本当に「同じ取引」をしているのか
米中首脳会談は中国優勢との見方を覆し、米国の圧倒的勝利と分析。OpenAIの暴走騒動や米中AI開発競争の激化、米「AI軍」創設宣言が力関係を一変させ、中国を交渉の場へ追い込んだ舞台裏に迫る
中国共産党では第21回党大会に向けた人事が動き始めている。高級幹部の高齢化と世代の断層を背景に、1970年代生まれの幹部が中央委員会にどこまで進出するのか。習近平体制の人事と有力候補を分析
聖書の「バベルの塔」の物語を手がかりに、AI開発競争を考察。技術や資本の集中、共通基盤への依存、競争から取り残されることへの懸念など、現代のAI開発と物語に共通する構図を探る