オーストラリア・メルボルンにある孔子学院の開校式に出席した習近平氏。孔子学院と中国共産党の強い関係性が伺える。2010年に撮影(Photo credit should read WILLIAM WEST/AFP via Getty Images)

国会で「孔子学院」問題にメス入る 文科相「動向を注視」

中国共産党のプロパガンダを吹聴し、次の時代を担う若者に対して洗脳教育を施す孔子学院を野放しにしていいのかー。有村治子(ありむら・はるこ)参議院議員は13日、参議院文教科学委員会で問題提起を行った。先進国で孔子学院が次々と閉鎖に追い込まれるなか、日本政府も孔子学院の実態を把握し学問の自由が妨げられることがないようにすべきだと有村氏は述べた。萩生田光一文部相も答弁を行い、政府で対応していく姿勢を見せた。

有村氏は文教科学委員会で、防衛省の防衛研究所が4月に発表した「東アジア戦略概観2021」のなかで孔子学院が取り上げられていることについて指摘した。孔子学院は、表向きでは「中国語と中国文化の普及を図る目的」のNGOだが、実態は教育部や中国共産党の中央宣伝部の下部組織であり、中国共産党の影響力を全世界に拡大させるための機関である、と警鐘を鳴らした。

「孔子の名前を冠しているが、孔子学院の授業内容は、論語や儒教とは直接関係がない」と有村氏は話す。「文化大革命では迫害の対象となった孔子も、世界に冠たる『ブランドネーム』として中国共産党に重用されている。胡錦濤政権に続く習近平政権においても、ソフトイメージを使った海外工作を重視しており、外遊先では積極的に孔子学院を訪問している」。

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