政府は12日、早稲田大を含む国内13の大学に中国政府主導の「孔子学院」の設置が確認されているとした。神谷宗幣参院議員(参政党)の質問主意書に対する答弁。孔子学院は語学教育機関とされているものの、中国共産党の強い影響があるとして、欧米諸国では閉鎖が相次いでいる。
日本国内で設置が確認されたのは早稲田大のほか愛知大、桜美林大、大阪産業大、岡山商科大、関西外国語大、札幌大、福山大、北陸大、武蔵野大、山梨学院大、立命館大、立命館アジア太平洋大となっている。
質問主意書では、日本にある孔子学院の数と所在大学、設置手続きと政府関与の必要性の確認を求めた。世界の国々が孔子学院を閉鎖する理由や動向について、政府の評価と見解を求めた。
政府は、孔子学院は学校教育法に規定する教育機関に該当せず、規制する法令はないとの見解を示したものの、「法令違反が認められる場合には適切に対処したい」と記した。
孔子学院は2000年代前半から世界各地に設置され、中国側の説明によれば少なくとも150か国以上に500以上が開設されている。文化・語学教育機関とされているものの、米国、カナダ、フランス、ドイツ、スウェーデンといった欧米諸国では、プロパガンダ機関としての懸念や大学の知的財産の搾取、教育の自由の侵害、契約の不透明性が指摘され、閉鎖が相次いでいる。
米国は2018年国防権限法で、米国防総省が資金を出す中国語講座について、孔子学院関連機関を対象外とした。2020年にはポンペオ国務長官(当時)が外国公館に指定し、全ての孔子学院を閉鎖させる方針を表明した。
同様の問題は日本でも提起されている。2021年年5月の参院文教科学委員会で、萩生田光一文部科学大臣(当時)は、孔子学院の組織運営や教育研究内容などの透明性を高めるため、情報公開を促していく意向を示した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。