カナダのウォータールー大学レニソン・カレッジが、校内に設置している孔子学院を閉鎖していたことがわかった。日本を含む世界各地に設置されている孔子学院だが、近年では中国共産党のプロパガンダ機関であると厳しい目が向けられている。同校は、閉鎖後も業務に支障がないことから「契約を更新することはない」とエポックタイムズの取材に答えた。
レニソン・カレッジは2007年から上海外国語大学と提携を結び、校内に孔子学院を設置していた。18日に取材に応じた同大学の広報担当者によれば、上海外国語大学との契約は「2021年10月に満了し、更新していない」という。また、校内の孔子学院は学位プログラムの対象ではなかったため、「重要な位置を占めることもなかった」と付け加えた。
孔子学院は2004年、中国政府の出資で韓国ソウルに初めて設立された。中国語と中国文化の教育を通じて、世界各国との相互理解と友好関係を促進しすることを掲げているが、欧米ではスパイ活動やプロパガンダ機関の拠点との指摘が相次ぐ。
カナダは2013年、マクマスター大学が雇用プロセスを理由に世界ではじめて孔子学院との契約を破棄した。近年では、ブリティッシュコロンビア工科大学やブロック大学が孔子学院の閉鎖を発表している。
ニューブランズウィック州の元教育大臣ドミニク・カーディ氏は、孔子学院は中国政府の「世論工作」に使われていると指摘する。10月にエポックタイムズの取材に答えた際には、同州の公立学校の孔子学院は8月にすべて閉鎖されたと述べた。また、カナダの価値観を共有しない中国の認定校との関係を、2027年までにすべて終わらせることを検討しているという。
カナダのニュースメディア「グローバルニュース」は7日、トロント中国領事館が2014年当時、同市での孔子学院維持を支持する運動に100万ドルを送金した疑いがあるとカナダ安全保障情報局の発言を引用し、報じていた。
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