人は40代以降になると、新陳代謝力が衰えて、ダイエットしにくい体になります。(Shutterstock)

40代以降に太るのはなぜ? 5種の食物で代謝力アップ

人は年齢が増すにつれて、新陳代謝の能力が衰えるもの。一般的に言えば、40代以降がその変わり目です。食べる量は以前と変わらないのに、明らかに太りやすい体になっていますね。そこで必要なのは、飲食の方法を変えることです。代謝を促進する食物を多く摂ることで、ダイエット効果も顕れてきます。

年齢に随って衰える新陳代謝 その原因は3つ

人体の中で、新陳代謝は重要な機能です。その主なはたらきは、体内の老廃物や余分な脂肪などを体外に排出し、食物から摂った新しいエネルギーや栄養を体に補充していくことです。

皆さんは「基礎代謝」という言葉をお聞きになったことがあるかと思います。つまりは、新陳代謝のなかに含まれる基礎代謝が緩やかになったために、新陳代謝の全般が衰え、肥満を招くということです。体重の管理と新陳代謝には密接な関係がありますので、食事で入ってくるエネルギー以上のエネルギーが代謝されれば体重は減るわけですが、その逆ならば簡単に太ってしまうことになります。

これが体重を減らす上で、食事制限を必要とすることの理由です。ところが、人は中年に入ると誰でも経験するのですが、食事の量が多くなっているわけではないのに、体重が増えてしまうのです。

ダイエットに詳しい栄養士の朱瑞君氏は、中年になって代謝が減退することの原因として、次の3点を挙げています。

一つ目は、身体機能が年齢とともに退化するため、代謝力もそれに随って減少すること。二つ目は、筋肉量の減少。筋肉量が多ければ基礎代謝率も高いのですが、年齢が高くなると、ダイエットすることによって筋肉量も減少してしまい、結局、基礎代謝率を下げるということも起こります。40歳を過ぎてからは、10年ごとに8%ずつ筋肉量が減少します。米国の医療保健ネットWebMDは「40歳以降のダイエットで、特に閉経後の女性は、必ず筋トレも入れてほしい」と言います。三つ目として、中年の人は、体内に蓄積された「毒素」が、すでに相当多くなっていること。年齢の増加とともに脂肪細胞に蓄積された有機化合物が排出されなければ、代謝による脂肪分カットが難しくなります。

中年以後の肥満には、新陳代謝の変化が関係しています。(Shutterstock)

 

緑茶シナモンなどで代謝力アップ

基礎代謝力をアップさせるには、運動の習慣とともに、食事の改善も重要なことです。

朱瑞君氏は、自身が指導している「ダイエット教室」の学生のなかで、基礎代謝に何らかの問題がある人には、まず食事の改善からアドバイスしているそうです。例えば、食べ物や飲み物に「大量の野菜と果物」を取り入れることで、体内に蓄積した便や毒素を排出させます。野菜や果物には、体内毒素を排出させる効果をもつフィチンが、多く含まれています。

その他に、代謝力をアップさせる食物を5種類、ご紹介しましょう。

1、緑茶、ウーロン茶  

緑茶やウーロン茶(烏龍茶)に含まれるカテキンには代謝をすすめる作用があり、カフェインには利尿作用もあるので、基礎代謝アップに役立ちます。

2、トウガラシ 

トウガラシに含まれるカプサイシンも新陳代謝を助けます。

3、シナモン

シナモンには、血糖値を安定させるとともに、お腹の脂肪を減らすはたらきがあります。お茶やコーヒーを入れる際に、カップに少量のシナモンを入れてもいいですし、お肉の煮込みの香料としてシナモンを使ってもいいでしょう。シナモンの煮汁は、飲んでも構いませんが、水腫(むくみ)体質の人は避けてください。

4、ウコン

脂肪細胞の成長をゆるやかにします。

5、発酵型酵素

 野菜や果物には、各種の栄養素のほかに、腸内菌の状態を調整する有機酸も含まれま  

 す。朱瑞君氏は、腸内に「良い細菌」が増えれば新陳代謝の力もアップするとした上で「発酵型酵素の保健食品やサプリメントを購入する場合は、信用のおけるメーカーのものを選ぶように」とアドバイスします。

シナモンには血糖値を安定させ、腹部の脂肪を減らすはたらきがあります。(Shutterstock)

水は多めに飲みましょう

こまめに水分を補給することは、代謝の促進にとって非常に重要です。朱瑞君氏は「もし水を飲まなければ、全く代謝ができないと言ってよいでしょう」と、その重要性を強調します。とは言え、一度に多くの水を飲めばいいかと言うとそうではなく、それぞれの体重に合わせ、回数を分けてこまめに摂取することです。

通常、一人のヒトが飲むべき水の量は「体重×40」。体重が50㎏の人は2000ccで、これを200ccぐらいに分けて飲みます。水分を補給する時間は特に限りませんが、夜の就寝前はトイレが近くなるので、朝や昼間に飲むようにしましょう。

(翻訳編集・鳥飼聡)

 

 

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