米議員、中国の仮想通貨禁止政策を批判
中国当局は18日、暗号資産(仮想通貨)関連サービスの提供を禁止する方針を示した。これを受けて、ビットコインやイーサリアムなど主要仮想通貨は19日、急落した。米議員は相次いで中国当局の政策を批判した。
中国人民銀行(中央銀行)は18日夜、中国インターネット金融協会、中国銀行業協会、中国支付清算協会と共同で通知を公表した。当局は、暗号資産関連サービスは「違法な資金集めや証券の発行」などの犯罪活動に関わるとして、国内の金融機関に対し、「暗号資産を金融商品として販売してはならない」「暗号資産に関わる保険事業を展開してはならない」「顧客に直接的または間接的に暗号資産関連サービスを提供してはならない」などと指示した。
米上院のシンシア・ルミス(Cynthia Lummis)議員(共和党)は19日、中国当局が仮想通貨を禁止する一方で、デジタル人民元の実用化を急いでいると指摘した。議員はツイッターに、「中国当局は指定都市で、デジタル人民元を運用し始めた。中国は、デジタル人民元を使って金融分野における米ドルの地位を弱体化させる狙いだ。これは国家安全保障上の問題だ。米国は対策を講じなければならない」と投稿した。
ルミス議員はこのほど、エンドレス・フロンティア法案(Endless Frontier Act)の修正案を提出した。
上院の超党派議員は昨年5月、エンドレス・フロンティア法案を提出した。法案は、中国共産党の脅威に対応して、米国のインフラ関連技術、人工知能や量子計算を含む先進技術研究などを強化するため、さらに1100億ドルの予算を割り当てることなどを提案した。しかし、昨年の上院では採択されなかった。現在、上院で再審議中。
ルミス議員が出した修正案は、先進技術研究の強化において、仮想通貨の取引データを管理するための技術であるブロックチェーンに関する内容を盛り込んだ。
同議員は12日に出した声明で、「この修正案により、ブロックチェーンと金融革新に関する研究開発の取り組みが本格化する。これは切実に必要に迫られていることだ」とした。
共和党のテッド・バッド(Ted Budd)下院議員は、米国は仮想通貨分野のリーダーになるべきだとツイッター上で主張した。「中国共産党は、その全体主義(体制)と共産党規約のために仮想通貨を禁止した」と議員は批判した。
(翻訳編集・張哲)