若年化が進む心筋梗塞。手のツボ押しは心臓を守ります。(談古論今話中医提供)

心筋梗塞の予防に老宮穴 自分でできる手のツボ押し

手のひらの真ん中にあるツボ(穴)が老宮(ろうきゅう)です。自分でもできる老宮穴ツボ押しは、心筋梗塞に代表される心臓トラブルの予防に役立ちます。

自分で簡単にできる手のツボ押し

心筋梗塞は、男性なら45歳以上、女性なら55歳以上になると起こりやすいと言われています。台北市にある大漢中医クリニック院長・沙政平氏は「もともと女性の血管は、男性の血管より弾力性にすぐれています」とした上で、男性は仕事上の接待が多く、煙草を吸う人も女性より多いため、心筋梗塞の発症年齢は女性より低くなっていると言います。

ところが近年は心筋梗塞の若年化が進んでおり、比較的若い人でも発症することがあります。そのような年齢を問わない現代病である心筋梗塞の予防法として、沙氏は、自分でもできる老宮穴のツボ押しを薦めます。

「左右どちらでも、手を軽く握って、中指の当たるところが老宮というツボです。ここは心包経という経絡につながっており、心臓を保護する働きがあります。」

この老宮穴を、反対の手の親指で押すと、少しピリピリした感じがします。このツボを、仕事の合間などに押して刺激するだけでも、ストレスの多い現代人にとって心臓のケアになると沙氏は言います。

「心臓に優しいお茶」も試してみて

漢方医学によると、心臓を守るためには「赤い色のものを多く食べると良い」とされています。例えば、リンゴトマト、紅麹(べにこうじ)、小豆などの赤い食品です。

また、同じく漢方でいう「五味」のなかで、苦瓜(ゴーヤー)や蓮の実などの苦味(にがみ)のある食品が心火(心臓に関係する熱)を解いて、体を保護するとされています。普段飲んでいるお茶の中に、蓮の実を少し入れて飲むだけでもよいのです。仕事が忙しくて残業や夜更かしをしやすい人、体に熱のこもりやすい体質の人は、特に心臓に負担がかかりますので、ぜひこれらの方法をお試しください。

ここで「心臓に優しいお茶」を、ご紹介しましょう。

丹参(たんじん)、サンザシ決明子(けつめいし)を同量ずつ合わせて、普段のお茶と一緒に、熱いお湯で煎じて飲みます。

漢方医学では「一味丹参功兼四物」という言葉があります。丹参にはすぐれた複数の効能があることを示した言葉で、ドロドロ血液による血行不良、動脈など血管の硬化、皮膚の炎症や化膿性疾患、精神不安定による不眠症など、いずれも血液や心臓に関係する症状の改善に効果があるとされています。

特に心臓に持病のある方の多くは、血液中の脂肪が多すぎるため、血液の粘度が高すぎる傾向にあります。サンザシは血中コレステロール値を下げるとともに、決明子には滑腸作用があり、排便を助けてストレスを軽減します。このお茶は、どなたにもお薦めできますが、胃潰瘍など胃腸に問題がある人は、サンザシを入れる量を少なくしてください。

(文・穆簡 翻訳編集・鳥飼聡)

 

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