バイデン氏、ノルドストリーム2への制裁は欧米関係に「逆効果」

[ワシントン 25日 ロイター] – バイデン米大統領は25日、ロシア産天然ガスをドイツへ直送する海底パイプライン「ノルドストリーム2」の事業会社に対する制裁を見送ったのは、同事業がほぼ完了しており、制裁を発動することで欧州との関係を損ねる可能性があったからだと述べた。

バイデン氏は来月に初の欧州訪問とロシアのプーチン大統領との初会談を控えている。

同事業について記者団に対し、立ち上げから反対してきたとした上で、今年1月の大統領就任までに「ほぼ完了」したため、制裁は見送ったと説明した。

なぜ事業が完了することを容認しているのかとの質問には「第一に、ほぼ完成しているからだ。今、先に進んで制裁を加えることは欧州との関係において逆効果になると考える」と述べた。

バイデン氏はロシアと中国に対抗する統一戦線を構築したい考えで、トランプ前政権下で悪化したドイツや他の欧州同盟国との関係の修復を目指している。

米国務省は先週、ノルドストリーム2の事業会社ノルドストリーム2AGと、同社の最高経営責任者(CEO)でプーチン大統領に近いマシアス・ヴァルニグ氏について、制裁対象となり得る活動に関与したとした上で、米国の国益を理由に制裁発動を見送った。

バイデン氏は自身の懸念について、ドイツは認識していると指摘。「今後、彼らがどのように対応するかについて協力できると私がどれほど強く感じ、願っているかを彼らは承知している」と述べた。

ドイツのメルケル首相は25日、米国の制裁見送りを受け、同事業について、米国とさらなる協議を行うことに期待を示した。

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