5月、イスタンブールの中国領事館前で家族の解放を求めるウイグル人女性と子供(Photo by BULENT KILIC/AFP via Getty Images)

中国、3人っ子政策も産児制限は続く 少数民族の人口抑制が狙いか=報道

中国政府は5月31日、産児制限を緩和し、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を発表した。中国政府が、将来の人口減少問題を抱えているにもかかわらず産児制限を続ける理由は、多産の少数民族の人口を抑制する狙いがあるとの見方がある。米CNNが6月1日に報じた。

CNNは専門家の話を引用して、中国共産党は少数民族の増加を問題視してきたと指摘する。多産の伝統を持つウイグル族は1家族に9〜10人を生む場合も多く、中国国内でも高い出産率を維持してきた。中国国家統計局の人口調査によると、1953年の少数民族の割合は全体の6.06%に過ぎなかったが、2020年には8.89%にまで増え、少数民族の人口増加幅(2.57倍)は漢族(1.35倍)を大きく上回った。

中国当局は、2017年から少数民族の出産制限を強化してきた。オーストラリア戦略政策研究所(ASPI)は5月に発表した報告書の中で、新疆ウイグル自治区の出生率は2017〜19年に48.7%減少したと指摘した。

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中国北京市では4日、当局の諮問機関にあたる中国人民政治協商会議(政協)が開幕された。中国メディアによると、政協の男性委員は会議で、少子化の対策として30歳以上の未婚女性の出産を認めることを提案した。
中国国家統計局は17日、2021年の全国出生数は1062万人で、5年連続の減少と発表した。また、昨年の出生率(人口1000人当たりの出生数を示す比率)は7.52人と1949年の共産党政権樹立以来の最低水準を記録した。
近年、中国の少子化問題は深刻になる一方のようだ。地方政府はこのほど、子育ての負担を軽減するとして優遇融資策を相次ぎ打ち出した。中国では初の試みとみられる。
中国は日本よりもはるかに深刻な少子化に直面している。中国共産党政権は7月20日、夫婦1組につき3人まで子供をもうけることを認める方針を打ち出したのに続き、出産を奨励するさまざまな政策を導入する文書を正式に発表した。中国共産党(中共)は、急速に進む少子高齢化による経済成長鈍化などへの危機感を抱き、産児制限を緩和する方針だ。