米国務長官、ノルドストリーム2巡りロシアけん制 独とは対話

[ワシントン 7日 ロイター] – ブリンケン米国務長官は7日、ロシアとドイツを結ぶガスパイプライン「ノルドストリーム2」を巡り一部制裁を見送った決定について、敷設完了が「既成事実」だった点を踏まえると妥当な判断だったと指摘し、ロシアがガスを武器として利用する場合は対応すると強調した。

米国務省が5月に議会に送った報告書は、同計画の事業会社ノルドストリーム2AGと、同社CEOでプーチン大統領に近いマシアス・ヴァルニグ氏について、制裁対象となり得る活動に関与したと結論付けた。ただ、ブリンケン氏は、米国の国益を理由に制裁発動を見送った。

同氏は下院外交委員会で「ドイツは交渉のテーブルに着いており、われわれは積極的に対話している」と説明。

制裁見送りを決めた際には、「現実問題として、パイプラインの物理的な完成は既成事実だった」とし、「事業会社とCEOに制裁を科すことが、物理的な完成という点で何らかの変化をもたらしていたとは思わない」とした。

「われわれは就任時にまずい対応を引き継いだわけだが、そこから前向きなものを引き出すチャンスが存在している」と続けた。

ノルドストリーム2の敷設事業は既に約95%が完成している。ウクライナを経由しないため、同国はガス通過料収入を失うことになり、ロシアによる侵攻への対応で一段と不利な立場に立たされる。

ブリンケン氏はウクライナなどの「安全保障あるいは経済的な安全保障を脅かすロシアの活動」には対応するとの事前合意があると述べた。

米政府は、ロシアが同パイプラインを利用し、欧州連合(EU)のロシアに対するエネルギー依存度を高めてEUの立場を弱くする可能性を警戒している。

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