≪医山夜話≫ (20)
夢のつぐない
若い頃、医者という職業を選択する前、私は不思議と同じ夢を見ては、翌朝になってもその内容を生々しく覚えていました。最初のころはあまり気にかけていませんでしたが、あまりにも同じ夢を頻繁に見るので、その原因について考え始めました。その後、医者か音楽関係の仕事か、どちらかを選択しなければならなかった時、かつての夢を思い出し、何の迷いもなく医者の道を選びました。不思議なことに、その日から私はあの夢を見なくなりました。しかし、その夢の中の情景は私の脳裏に深く刻まれているのです。
夢の中で、私は妻と息子を連れて、戦乱の中、大きな荷物を担いで走っていました。途中、体中血まみれで動けなくなった負傷兵や貧しい流民が私に手を伸ばし、「先生、先生! 助けて、助けて! 」と叫んでいました。しかし、戦闘が激しさを増す中で私が考えていたのは、できるだけ早く家族を連れてそこを離れることでした。私を必要とする人たちに対して申し訳ないと思い、走りながら私の足はとても重かったのです。
私の診療所には様々な患者が訪れます。考えてみれば、運命の神が彼らを私のところへ連れてきたのかもしれません。私は彼らの肉体的な苦痛を軽減させ、精神的な苦痛も慰めながら、10数年が経ちました。ある日、私の診療所をバーバリーさんという女性が訪ねてきました。彼女は、私が繰り返し見ていたあの夢の謎を解くきっかけを与えてくれました。
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