英20大学、ファーウェイなど中国企業から巨額の資金支援、学問の自由への懸念高まる
英国のトップ20大学が、華為技術(ファーウェイ)をはじめとする中国企業から巨額の資金を受けていたと英メディアが報じた。英政界で懸念が広がっている。
英紙デイリー・テレグラフ8日付によると、英議会中国研究グループ(CRG)の調査で、2015年以降、中国共産党政権と直接つながりを持つ中国企業が、英国の大学に研究資金を提供していたとわかった。
たとえば、インペリアル・カレッジ・ロンドンは2015年以降、ビッグデータ研究や工学部のプロジェクトへ資金支援として中国軍と密接な関係があるとされるファーウェイから350万~1450万ポンド(約5億3821万~約22億4875万円)の資金を受け取っていた。
ファーウェイは2016年に、同大学の当時の教務主任に携帯電話をプレゼントしていたという。
同大学は2016年以来、ファーウェイの他にも、中国石油化工(シノペックグループ)からも少なくとも1000万ポンド(約15億3751万円)、中国航空工業集団 (AVIC)から少なくとも650万ポンド(約9億9938万円)の資金援助を受けていた。両社はいずれも中国の国営企業である。
また、ファーウェイは2015年以降、ランカスター大学に半導体、コンピューティング、機械学習などの研究のために110万ポンド(約1億6912万円)、ヨーク大学にも「非公開」の研究プロジェクトのために89万ポンド(約1億3878万円)の資金提供がわかった。
ブリストル大学、エクセター大学、ヘリオット・ワット大学は、「敏感な問題」という理由で、受け取った資金の詳細の公表を拒否した。
これらの資金提供は、学術の独立への懸念を引き起こした。
CRGを率いる下院のトマス・タジェンダット外交特別委員会委員長は、「英大学が資金を追求すれば、学術的自由が損われる可能性がある」と警告した。
同委員長はデイリー・テレグラフ紙に対し、「誰がボスで、誰が最終的な決定権を持っているのか知る必要がある」と指摘した。
中国によるスパイ活動や知的財産権の窃盗を懸念した英国政府は、昨年10月1日から国家安全保障に関連する科学分野の審査を開始し、保護対象を拡大した。また、中国人留学生のビザ制限を強化し、航空宇宙、人工知能、サイバーセキュリティなど防衛科学に関連する分野の中国人留学生の受け入れを制限した。
政府の調査を受け、インペリアル・カレッジ・ロンドンの広報担当者は、「資金提供者が我々の独立したオープンで透明性のある研究の干渉を許さない。我々は学術的独立性を確保するために強力な措置を講じている」と述べた。
(大紀元日本ウェブ編集部)