米空軍、太平洋で基地ネットワークを構築 中国を念頭に
米太平洋空軍は中国を念頭に、戦力を再配置し、太平洋に基地ネットワークを構築していると米著名軍事記者は指摘した。
米「フォーブス(Forbes)」誌が7日掲載した軍事記者デビッド・アックス(David Axe)氏の記事は、米空軍は長年、沖縄県の嘉手納基地に戦闘機を集中させ、グアムのアンダーセン空軍基地(Andersen Air Force Base)に爆撃機を集中させてきたが、現在、この2つの基地が中国の攻撃の標的となっていると指摘した。
中国は米太平洋空軍の戦闘力を抑制するために、中国本土からこの2つの空軍基地を射程内に収める約1300発の陸上弾道ミサイルを配備しているという。
「この脅威を強く認識した米空軍は中国のミサイルの攻撃力を弱めるため、数百機の戦闘機を数十の基地に分散させる戦略を取った」
空軍はどの基地がその計画に含まれているかを明かしていないが、「経験から推測すると、米国の領土と小さな島国が合理的な選択になるだろう」とアックス氏は述べた。
同氏はまた、現在、戦争が勃発する確率が最も高いのは台湾付近だとした。2016年にドゥテルテ大統領が選出されるまで、米空軍は中国と衝突の際にフィリピンの基地を頼ることができたが、ドゥテルテ氏が中国に接近し、米国を批判しているため、フィリピンは米国の頼れる同盟国ではないと指摘した。「ドゥテルテ氏が退陣する2022年には、米比関係が変わる可能性があり、基地ネットワークの一部になる可能性がある」と同氏は分析する。
ケネス・ウィルズバック米太平洋空軍司令官はかつて空軍マガジン「AIR FORCE Magazine」とのインタビューの際に、「我々はすべての空港に対して、計画を持っている。いくつかの飛行場は基準を満たしているため、我々が『クラスター』と呼ぶものの一部となっている」と明かしていた。基地の中には、ネットワークの主要なハブとなるものもあれば、スポークとなるものもある。
航空機、燃料、武器、物資、そして兵士もハブを経由して小さなスポーク基地へと移動していく。人や物の移動が多ければ多いほど、中国のロケットによる攻撃を避けることができ、安全になる。
米空軍は「Deployable Air Base System(DABS)」と呼ばれるシステムのもとで、事前に装備一式を詰め込み、小規模基地の強化を計画をしているという。
また、迅速機敏な戦力展開(ACE訓練)はすでに米空軍の重要な演習項目となっている。昨年の日米合同演習では、日本の航空自衛隊と米空軍の地上要員が、給油や給油後の機体点検、誘導工作を行った。そのような演習は、日米同盟を強調できるだけでなく、ACE構想の下で、米軍機は随時、日本の各空港に配備される可能性がある。
ACE構想を実現することで、軍は戦闘全体を迅速に機動し、不測の事態や危機に対応できるようになる。
米空軍は、戦闘機20機の中規模グループをさらに小さなチームに分散させてから、周囲基地に配備する。また、爆撃機のグループも独自の分散配備モデルに取り組んでいるとアックス氏は指摘した。
(大紀元日本ウェブ編集部)