イスラエルで1600年前のビザンチン時代のモザイクを発見
イスラエルのヤブネ市で、近隣開発の前に発掘調査を行っていた考古学者が、保存状態の良い古代のモザイクを最近発見しました。
このモザイクは、黒い長方形のフレームに配置されたカラフルな幾何学模様が描かれているもので、アビシャグ・ライス氏が率いるイスラエル考古学庁の研究者らによって発見されました。
発見は、4世紀から5世紀のビザンチン時代にまでさかのぼります。
ヤブネ市では、都市開発計画の一環として、考古学者がイスラエル土地局と共同で大規模な発掘調査を行っています。
このモザイクは驚くほど保存状態がよく、裕福な地域の美しい住宅の建物の一部だったと推測されています。
ヤブネの工業地帯で色付きのモザイクフロアを発見したのはこれが初めてだとイスラエル考古学庁の発掘責任者、エリー・ハダッド氏は語っています。
発見されるまで時間が経っており、モザイクフロアは白いパティナ(光沢や膜)で覆われていました。そのため、考古学者は当初、これが単なる舗装だと考えていました。
ハダッド氏は声明の中で、「最初は、モザイクフロアが多色であることに気づかなかった。これは別の工業地帯に属する単純な白い舗装だと想定した」「しかし、モザイクの周りに点在する黒い斑点は、それが複数の色であることを示唆しており、長年にわたってコーティングされていた白っぽいパテナを取り除くことにしたんだ」と語りました。
保存担当者が特殊な酸をブラシで作品に塗り、パテナを除去すると、驚いたことに、幾何学的なモチーフで装飾されたカラフルなモザイクが現れました。
このようなモザイクは、工業地帯では珍しく、そしてこれはさらなる住居跡の可能性を示しているとHaddad氏は述べました。
モザイクを記録、描画、写真撮影した後、イスラエル考古学庁の関係者は、エルサレムのロックフェラー博物館の工房に移し、専門家による処理と保存を行いました。
イスラエル考古学庁は、ヤブネ市やイスラエル土地局と協力して、このモザイクを一般公開する予定であり、モザイクを配置するため場所を探しています。
ヤブネ市では、町の人々が考古学に親しめるような環境づくりに力を入れており、現在、ヤブネ市の文化センター近くの広場にモザイク画を展示するためのインフラを整備しています。
文化的な信頼性のために、古代フロアの保存と移転は古代の技術的手法と古代に使われていたものと同様な材料を使って行われます。
イスラエル考古学庁のディエゴ・バーカン氏は声明の中で、“モザイクが市内の中心部に展示されることで、その遺産に体現されている価値が保存され、一般の人々がアクセスできるようになることを嬉しく思う”と述べました。
ヤブネ市長のズヴィ・グルアリ氏は、将来の世代のために、今の時代に文化を保存することの重要性を強調しました。
同氏は、“壮大な歴史を持つヤブネ市にとって、考古学的な保存と過去への認識は重要な価値観である。”“未来の世代も、歴史の中で街がどのように進化してきたかを見ることができるようにすべきだ。”と述べました。
(翻訳 小蓮)