英国の考古学者が最近、夕食用の貝を採りにヨークシャーの海岸に行ったところ、偶然にも1億6500万年前のものと思われる恐竜の足跡を発見しました。この足跡の化石は、大型の肉食恐竜のものと考えられており、「真のジュラ紀の足跡」と呼ばれています。
29歳の考古学者マリー・ウッズ(Marie Woods)が夕食のために近くのビーチで貝を拾っていたところ、波に打ち寄せられた石の上に巨大な足跡があり、よく見ると恐竜の足跡と思われる化石が発見されたと、英メディアが報じました。
足跡を発見したマリーは驚きましたが、化石は水に近く、再び波に流された可能性があるようです。「貝類を拾って家に帰って夕食を作りたかったけど、化石を見つけ、携帯電話で記録してインターネットに公開した」
「古生物学者の友人たちに見せたら、彼らは今まで見たことがないと言っていた。 本当にワクワクするわね」
あとでマリーは古生物学者のディーン・ロマックス(Dean Lomax)博士をはじめとする専門家と会いました。マンチェスター大学のロマックス氏は、この化石が大型肉食恐竜の足跡である可能性が高いと述べています。
ローマックス博士は、ヨークシャーで育ち、化石探しに人生を費やしてきた経験から、「ヨークシャーでこれほど完全で大きな肉食恐竜の足跡の化石が発見されたのは初めてのことです」と語っています。 形状や3本足の足跡、爪痕などから、大型の節足動物が残したものと考えられ、恐竜の体長は8~9メートル近く、股関節の長さは約2.4メートルで、本物の「ジュラ紀の巨獣」でした。
「どの種が残ったのかは定かではないが、イギリスで発見されたメガロサウルス(Megalosaurus)という恐竜と足跡のタイプに似ています。しかもほぼ同じ1億7500万~1億6400万年前の中ジュラ紀に生息していました」とロマックス氏は言います。
実は、早くは1年前、現地で一人の化石コレクターロブ・テイラー(Rob Taylor)氏は同じ海岸でこの化石が発見していましたが、当時は海水の浸食による露出は完全ではなかったため、あまり注目されていませんでした。マリーの再発見によって恐竜の化石であることが確認されて、その重要性が認識されました。
ロマックス博士はロブとマリーのこの重要な発見に感謝し、標本を保存してさらなる科学研究に役立てたいと考えています。
(翻訳 源正悟)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。