6月18日、政府は臨時閣議で、新たな経済財政運営の指針(骨太方針)と成長戦略を閣議決定した。都内で2020年2月撮影(2021年 ロイター/Athit Perawongmetha)

政府、骨太方針と成長戦略を閣議決定 「財政健全化は堅持」と麻生氏

[東京 18日 ロイター] – 政府は18日の臨時閣議で、新たな経済財政運営の指針(骨太方針)と成長戦略を決定した。「経済あっての財政」との考えを掲げて成長志向の政策を進める一方、基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)黒字化の旗は降ろさない。グリーンやデジタルなどを柱に、経済成長を支える施策は成長政策に盛り込んだ。麻生太郎財務相は臨時閣議後に省内で「経済再生と財政健全化は堅持していかなければならない」との考えを記者団に語った。

骨太方針は、1)新型コロナウイルス感染症の克服とポストコロナの経済社会の展望、2)次なる時代をリードする新たな成長の源泉、3)感染症で顕在化した課題を克服する経済・財政一体改革、4)当面の経済財政運営と次年度予算編成に向けた考え方――が柱。

グリーン社会の実現や官民を挙げたデジタル化の加速、地方創生、子育て支援を重点施策に掲げ、600兆円経済の実現と財政健全化目標の達成を目指したい考え。

財政健全化に向けては2025年度の国・地方を合わせたPB黒字化を目指すと同時に、債務残高対GDP比を安定的に引き下げると明記した。感染症の経済財政への影響を検証し、目標年度を再確認することも原案通り追記した。

麻生氏はこの日の会見で、財政目標について「年度内にもう一回再検討した上で、経済再生と財政健全化は堅持しかなければならない」とし、PB黒字化時期を先送りするかは「今、言える段階ではない」と述べるにとどめた。

併せて「コロナの影響がどれくらい続くかと大きな関係がある。25年度のPB黒字化(目標は骨太方針に明記することで)堅持したが、財政への影響が出てくるのは確か」との考えも述べた。

先の主要7カ国(G7)首脳会議で全首脳から東京五輪開催の支持を得たことを踏まえ、東京五輪に関しては「安全・安心な大会を実現するとともに、大会の多様なレガシーを創出する」との文言を加えた。

菅義偉首相がコロナ対策の本丸に掲げるワクチン接種では、希望する全ての対象者への接種を「10月から11月にかけて終えることを目指す」と記した。感染拡大防止に全力を挙げ、機動的なマクロ経済政策運営で事業・雇用・国民生活を支えることも併せて打ち出した。

対日直接投資では2030年に80兆円、国内総生産(GDP)比12%とする新たな目標を掲げた。一方、対日投資が技術流出を通じて国の安全を損なうことのないよう、外為法上の投資審査・事後モニタリング(監査)について「関係府省庁の連携強化を進めつつ、執行体制の強化を図るとともに、指定業種のあり方にかかる検討を行う」としている。

気候変動対応では、2030年の温室効果ガス削減目標の実現に向けて「複数年度にわたる取り組みを計画的に実施する新たな仕組みを検討する」とし、併せて閣議決定した成長戦略に関連施策を散りばめた。

成長戦略は「カーボンニュートラルは電化社会が前提」との考えを追記し、2050年の脱炭素化を念頭に、産業構造の転換を支援することが柱。特別買収目的会社「SPAC」の解禁方針も原案通り盛り込んだ。

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