アップルデイリーのニュース編集室。2021年5月11日撮影。(Photo by PETER PARKS/AFP via Getty Images)

蘋果日報、26日までに停刊 IPACや日本、台湾から非難

国際的な超党派の議会連盟であるIPAC(対中政策に関する列国議会連盟)は、香港当局に資産を凍結された香港民主派新聞紙・蘋果日報(アップル・​デイリー)が停刊に追い込まれたことを非難する声明を発表した。

IPACは23日付の声明で、国際社会は「中英合同声明」によって保障される香港人の自由と自治を守る義務があると主張した。香港人に対する承諾を破った中国共産党の責任を追及するため、各国政府に対して、緊急に行動するようと求めた。

具体的には、香港における国際法違反や人権侵害に関わる中国と香港の政府関係者への制裁を検討すること、香港からの亡命希望者のための「特別移民ルート」を提供することなどを提案した。 

日本は、この強制的な新聞停刊の動きに非難を表明した。加藤勝信・官房長官は24日の記者会見で「香港が享受してきた民主的、安定的な発展の基礎となる言論の自由や報道の自由を大きく後退させるもの」で、重大な懸念を表明するとした。

共産党の志位和夫委員長は、ツイッターで「国家安全維持法によって、リンゴ日報に弾圧を加え、停刊に追い込み、香港の言論の自由を圧殺した中国政府の蛮行に強く抗議する」と批判した。

台湾の高官は、相次ぎアップルデイリーの停刊にコメントを発表した。台湾の頼清徳(らい・せいとく)副総統は自身のツイッターで「報道の自由は民主主義の空気のようなものだ。私は今日、非常に落ち込んでいる。香港人はアップルデイリーを失ったが、勇気は失っていない。彼らの尊厳と理想はまだそこにある。台湾はあなたたちと共にある」と投稿した。

台湾の中国政策を担当する大陸委員会は、アップルデイリーが停刊された事実について「きわめて遺憾で、厳しく非難する」と述べた。さらに「この事件は、香港での報道・出版など言論の自由の終わりを告げた」と表明した。

アップル・​デイリーは23日、24日付の発行を最後に、停刊することを決定したと発表した。同じ親会社が経営していた台湾版アップルデイリーは、財政が独立しているため、今後も台湾で事業を続けるという。

(蘇文悦)

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