武漢ウイルス研究所。2020年4月17日撮影(Photo by HECTOR RETAMAL/AFP via Getty Images)

<中共ウイルス>米NIHが遺伝子情報を削除 中国人研究者の要請で

米国立衛生研究所(NIH)は23日、中国人研究者の要請でデータベースから中共ウイルス(新型コロナウイルス)の初期サンプルのゲノム配列が削除されたと明らかにした。

NIHは、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の取材に対して、中国人研究者は昨年3月にデータを提出したが、その3カ月後に削除を要請したとした。NIHはすでに関連情報を消したという。

WSJによると、NIHは声明の中で、中国人研究者はデータ情報を更新するためだと説明し、それに応じたという。「データを提出した研究者はデータに対する権利を持つため、撤回を要求することができる」とNIHは強調した。

報道は、フレッド・ハッチンソン癌研究センターのジェシー・ブルーム(Jesse Bloom)教授の話を引用し、削除されたのは2020年1~2月までの間に、中国武漢市で入手した中共ウイルスのサンプルのゲノム配列だとした。サンプルは、中共ウイルスに感染したと疑われる患者から採取したものだという。同教授がNIHのデータベースからデータが消されたことに気づいたという。

ブルーム氏は未査読の論文で、「削除されたファイルをグーグルクラウドから復元し、13種類の初期に流行したウイルスの配列の一部を再構築した」と述べた。

さらに、このデータは、世界保健機関(WHO)と中国の共同報告書で焦点となっている武漢華南海鮮市場のサンプルの配列が、流行初期の武漢のウイルスを完全には代表していないことを示唆している、と彼は指摘した。

ブルーム氏は23日、ツイッター上で、データの削除は、NIHが何かの研究結果を隠そうとしていることを意味するのではないとコメントした。「(NIHの)Sequence Read Archiveポリシーは、データ提供者が電子メールで削除を要求することを認めている」とした。

米国内では、ウイルスが武漢ウイルス研究所から漏えいしたと指摘する声が高まっている。

ブルーム氏は、中国人研究者がデータの削除を求めたことは、ウイルスの起源に関する透明性や中国当局の初期対応において、さらなる疑問を投げかけたとの見解を示した。

(翻訳編集・張哲)

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