中国、白鶴灘水力発電所を稼働 環境への悪影響懸念する声も
中国の長江上流に位置する白鶴灘水力発電所が28日、発電を開始した。発電能力は1600万キロワットで、三峡ダムに次ぐ世界第2位となる。2017年に本体工事を始め、要した期間はわずか4年で完成した。環境保護団体は、短期間の建設による生態系への悪影響を懸念している。
総投資規模は3000億元(約5兆円)を超える。年間62兆ワットの電力を供給する。
同プロジェクトはエネルギー消費量の多い東部沿岸地域に電力を供給するほか、洪水が頻発する夏期に水流制御を強化することも目的としている。
共産党創立100周年記念日の数日前に同ダムの試運転を行ったのは、明らかに「政治的な指示」によるものだと米ボイス・オブ・アメリカ(VOA)が指摘した。
環境NGO「インターナショナル・リバーズ」は、中国の国有水力発電会社が、環境・人的被害に対する責任をほとんど果たしていないとする報告書を発表した。報告書によると、同会社は、納期を急ぐあまり、プロジェクトが地域社会や生態環境に与える影響を一般の人々に伝えていないことが多いという。
同NGOが2016年に発表した報告書は、中国ではダム事業における環境影響評価は建設後に提出されるなど、環境破壊を合法化にする恐れがあると指摘した。
このプロジェクトによって、10万人以上の人々が移転を余儀なくされた。
(翻訳編集・李沐恩)
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