千葉・白井市議会で対中人権問題意見書が全会一致(スクリーンショット)

「市民の安全守るために不可欠」千葉・白井市議会で対中人権問題意見書が全会一致で採択

6月29日、千葉県白井市議会で「中華人民共和国(以下、中共)による人権侵害問題に対する調査及び抗議を求める意見書」が全会一致で採択された。ウイグル人強制収容や蘋果日報の発行停止、日本人会社員の逮捕事件などを取り上げ、対応の必要性を訴えた。意見書の発案を行った和田健一郎議員は取材に対し、「エスカレートする人権弾圧の中で、日本人が巻き込まれる可能性が高まっている。弾圧をやめてほしいという想いだ」と語った。

白井市議会には中国に宥和的な政党もあるなか、全会一致での採択にこぎつけたのは、「(事前に)各会派に原文の草案を見せ、どのような内容であれば賛同できるのかを協議した」ためだと和田議員は話した。

そのうえで、和田議員は国会で対中人権非難決議が不発に終わったことについて、「採決というからには、賛成であれば賛成、反対であれば議決のときに立場を表明すればよい。これが本来の民主主義のありかたではないか」との考えを示した。

意見書のなかでは、2017年3月、白井市に研究所がある企業の社員が中国国内にてスパイ容疑で拘束された事件が取り上げられている。そして「邦人が中国に関連したビジネス等のあらゆる活動において不当に権利を侵害されるリスクは高まる一方である。中共による人権弾圧への対応は、市民の安全を守る上でもかかせないものとなっている」とし、政府対応の必要性を説いた。

中共による人権侵害問題を、政府が調査及び抗議すべきとの意見書は地方議会で相次いで提出されている。直近では埼玉県議会と東京・中野区議会で同様の意見書が採択されている。

(王文亮)

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