2018年2月15日、ベオグラードで行われた集会で、国際小児がんデーを記念して緑色の風船を持つ人々。参考写真(ANDREJ ISAKOVIC/AFP via Getty Images)

1カ月で約14年分の寄付集まる リトアニアのワクチン寄贈に台湾から恩返し

東欧のリトアニアからワクチンの無償提供を受けた台湾市民は、同国への「恩返し」として同国の支援団体へ多額の寄付金を送った。台湾の中央通訊社(中央社)によると、6月だけで14年分の寄付金が集まった団体もある。台湾から同国への寄付は今回、初めてだという。

リトアニアは6月22日、英アストラゼネカ製ワクチン約2万回分を台湾に提供すると発表した。これを受け、国際的な慈善活動に携わる台湾人女性の張瀞仁さんは翌日、自身のフェイスブックを通じて、リトアニアへの「恩返し」を台湾人に呼び掛けた。

寄付を受け取ったリトアニアの非営利団体「子供がん財団(Childhood Cancer Fund "Rugutė")」の責任者であるEdita Abrukauskienėさんは、中央社を通じて、「10日足らずで、台湾から少なくとも2.5万ユーロ(約329万円)の寄付があった」と驚きを隠せない様子だった。

3歳の娘をがんで亡くしたAbrukauskienėさん夫婦は、2004年にがんの子供を抱える親を支援するため財団を設立した。

「たとえ少額の寄付であっても私たちにとっては非常に大きな意味をもつ。寄付は全て命を救うために使用される」と感謝の言葉を口にした。

リトアニアが台湾にワクチンを寄付したことについて、Abrukauskienėさんは、「パンデミックの期間中、すべての国は互いに助け合うべき。がんに苦しむリトアニアの子供たちは、遠く離れた台湾にも友達がいることを嬉しく思っている」と述べた。

同財団は「感謝カード」を作成し、中央社を通じて台湾の人々に感謝の気持ちを伝えた。

小児がん患者を持つ家庭を支援する機構「MAMŲ UNIJA」にも多額の寄付金が集まった。

同機構の責任者であるJustina Žukauskienėさんは中央社のインタビューで、これまでの寄付金は月平均300ドルだった。しかし、6月の1カ月だけで約5万ドル(約555万円)の寄付を受け取り、「170カ月分の寄付が集まった」と述べ、「台湾人のおかげ」と感謝を伝えた。

リトアニアの総人口は300万人に満たない。

「リトアニアは世界の多くの人が知らないのではないかと思うくらい小さな国だ。人口2300万人の台湾にとって、リトアニアが寄付したワクチンはたった2万回分で、取るに足らないものかもしれない。しかし、台湾人の恩返しとその情熱には本当に感服させられた」とŽukauskienėさんは語った。

(翻訳編集・李凌)

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