22カ国の議会と200あまりの議員からなる対中強硬派国際議連「対中政策に関する列国議会連盟(IPAC)」の英国議員団は24日付の声明で、バルト3国の防衛を強化し、中国やロシアといった独裁国家への経済依存を低減するよう英政府に求めた。
イアン・ダンカン・スミス元保守党党首らは24日から2日間、リトアニアを訪問し、イングリダ・シモニーテ首相や在リトアニア台湾代表処のエリック・ホアン代表と会談した。「リトアニアは今日、モスクワと北京の両方の権威主義体制からの強い圧力に直面しながらも耐えている」とスミス氏はツイートした。
スミス氏らはIPACの声明のなかで、エネルギーやレアアースを含む重要なサプライチェーンにおいて、ロシアや中国を含む権威主義的な政権への戦略的依存を減らすほか、リトアニアが台湾と適切な関係を構築する主権的権利を確認するよう求めた。
リトアニアは2つの大きな地政学的な圧力を受けている。ロシアの支援を受けたベラルーシ政権がリトアニアに向けて中東などからの何千人もの難民を意図的に放出した。また、駐リトアニア台湾代表処の開設を認めたことで中国共産党からは継続的な貿易制裁を受けている。
声明はさらに国連総会のロシア非難決議案の採択を棄権するなど「ロシア寄り」の姿勢を取る中国共産党を非難した。
英国およびリトアニアのIPACメンバーらは24日、ビリニュスで共同記者会見を開いた。スミス氏は「中国共産党は台湾に対して恒常的な脅威を与えている。ロシアや中国のような全体主義国家は、脅迫の後、それを実行に移す傾向がある」と危機感をあらわにした。
リトアニアのジギマンタス・パビリオーニス議員はロシアによるウクライナ侵攻について「インド太平洋などにおいて独裁国家との経済関係を見直す必要がある。台湾との関係深化は、こうした取り組みを支援し、インド太平洋地域の民主主義を強化するためにも極めて重要だ」と述べた。
ドビレ・シャカリエネ議員は「ウクライナが陥落すれば中国(共産党)は増長しかねない。ウクライナを守れれば中国を抑止できる」と民主主義国の結束の必要性を強調した。
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