北朝鮮 原子力潜水艦の公開に続き巡航ミサイルを発射

2025/12/30 更新: 2025/12/30

北朝鮮は12月29日、核抑止能力を試験するため、長距離戦略巡航ミサイルを海上に向けて発射したと発表した。これは、北朝鮮が初の原子力潜水艦の建造を進展させていると国営メディアが報じたわずか数日後のことである。

日曜日に北朝鮮の西海岸沖で行われたミサイル発射は、来年初めに開催予定の朝鮮労働党大会に先立って実施された。党大会の開催は5年ぶりとなる。この大会では、北朝鮮の指導者である金正恩(キム・ジョンウン)が米国の呼びかけに応じ、対米協議を再開すべきかどうかが検討される見通しだ。

協議再開への呼びかけ

2019年に金正恩と米国との核外交が決裂して以来、北朝鮮は核兵器の増強を目的とした兵器試験活動に注力してきた。

金正恩は9月、ワシントンが北朝鮮の「非核化に対する妄想的な執着」と呼ぶものを捨てるのであれば、対話に戻る可能性があると示唆した。

国営の朝鮮中央通信(KCNA)は、金正恩が今回のミサイル発射に「大きな満足」を表明し、外部からの安全保障上の脅威に直面する中での「自衛権と戦争抑止力の正当かつ責任ある行使」であると述べたと報じた。

韓国軍合同参謀本部は、日曜日の朝に北朝鮮の首都ピョンヤン付近からミサイルが発射されたことを把握していると発表した。声明では、韓国は米韓同盟を通じて、隣国によるいかなる挑発の可能性も退ける準備ができているとしている。

国連安全保障理事会の決議は、北朝鮮が保有する膨大な弾道ミサイルの発射を禁じている。

非弾道ミサイルである巡航ミサイルの試験は国際法で禁止されていないものの、レーダー検知を避けるために低高度を飛行し、機動性も高いため、日米韓にとっての脅威とみなされている。

原子力潜水艦の開発を誇示

北朝鮮は先週、東海岸沖で新型対空ミサイルの発射試験を行い、開発中の原子力潜水艦の船体がほぼ完成している様子を示す写真を公開した。

原子力潜水艦は、金正恩が「米国主導の安全保障上の脅威」に対抗するために導入を計画している一連の高度な兵器システムの一つである。

国営メディアの写真では、地対空ミサイルの発射能力を持つ8700トン級の原子力潜水艦の建造現場を視察する金正恩の姿が確認された。KCNAは視察の場所や時期については明らかにしていない。金正恩は、このプログラムは韓国が米国との合意に基づいて原子力潜水艦を開発する計画への対抗措置であると主張している。

ロシアとの同盟

北朝鮮の兵士たちは、金正恩とロシアのプーチン大統領が署名した「一方が攻撃された場合に相互に防衛する」という条約に基づき、ウクライナによる侵攻からロシアのクルスク州を守る手助けをしている。

ウクライナのインテリジェンス機関によると、現在8,500人から13,000人の北朝鮮軍兵士がクルスク州に駐留しており、これによりロシアは自軍をウクライナの前線に再配置することが可能になったという。また、ロシア占領下のウクライナの一部地域では、約6,000人の北朝鮮人が建設作業に従事している。

ロシアと北朝鮮のいずれも、配備の規模や死傷者数については公表していない。しかし、今年4月、韓国の国会議員は国家情報院(NIS)の報告を引用し、約600人の死者を含む約4,700人の北朝鮮兵が死傷したとの推定を明らかにしている。

ロンドンを拠点とするジャーナリストであり、地方紙から全国紙へと活動の場を広げてきた経歴を持つ。主に医療および教育分野を取材対象とし、ワクチンに関する問題や子どもに影響を及ぼす社会的課題に強い関心を寄せている人物である。
関連特集: 朝鮮半島