2月20日、ロシアのバイカル湖で、中国人観光客8人を乗せた車両が氷が割れて湖に転落し、7人が死亡、1人が生還した。事故は中国のネット上で大きな関心を集めた。しかし中国共産党(中共)中央テレビはこの事故を報じる際、死亡した7人には触れず、「中国人観光客1人が救助された」とのみ伝えた。ネット上で批判が殺到し、「道徳の崩壊」「邪悪な宣伝」などと非難された。
20日、中共中央テレビは「わが大使館 バイカル湖での車両落水事故で中国人観光客1人が救助」と題して報道した。7人の死亡には触れず、「現在救助されたのは中国人観光客1人のみ」と伝えるにとどまった。
これに対し中国のネットユーザーからは、「この編集者は報道の資質に欠けるか、あるいは倫理観が失われている」「弔事を慶事のように扱う、いつもの手口だ」「このようなメディアの存在は報道関係者への最大の侮辱だ」「良心のない畜生だ」などの批判が相次いだ。
また別のユーザーは、「国語の作文で新たに生まれた『弔事を祝い事として書く』記述法だ」「この見出しは吉報のようだ」「これは巧妙でも何でもない。情報が閉ざされていた時代の発想だ。今は誰もが事実を知っている。このような書き方をすれば、このメディアは100%信用できない、読む価値がない、邪悪な宣伝だとしか思われない」とコメントした。
さらに、報道関係者とみられる人物は、「この見出しの問題の本質は、報道倫理の重大な逸脱にある。『中国人観光客1人救助』という孤立した、肯定的な断片だけを意図的に切り取り、『中国人観光客8人とロシア人運転手1人のうち救助は1人のみ』という悲劇の核心を無視している。わずかな『良い知らせ』で事故の重さと残酷さを薄め、覆い隠している。読者は見出しだけ見れば救助が成功した事故だと誤解しかねないが、実際は重大な人的被害を伴う事故だ」と批判した。
また、「報道の命は真実と全面性にある。この見出しは最初から誤解を招く内容と隠蔽を選択している。これは『事実を伝える』という基本原則に反するだけでなく、危険にさらされた人や国民の知る権利を軽視するものだ。見出しが客観的事実の窓ではなく感情誘導の道具になれば、損なわれるのはメディアの信頼性だけでなく、社会全体の情報への信頼基盤である」と指摘した。
中共中央テレビは中共の代弁者として、長年にわたり事実を歪め、偽情報で国民を欺いてきたとされ、国民から反感を買っている。
今年に入り、中国人観光客がロシアで死傷する事故はこれが初めてではない。
1月28日には、中国人観光客10人を乗せたUAZオフロード車がバイカル湖の氷上走行中に亀裂にはまり転覆し、中国人1人が死亡、4人が負傷した。
また昨年、中共当局は日本が危険であるとの偽情報を流し、中国人にロシアやカンボジア旅行を促していた。
中共中央テレビによると、ロシアのプーチン大統領が署名した命令により、2025年12月1日から2026年9月14日まで、中国国民は観光および商用目的でロシアへビザなし渡航が可能となる。
中共外務省は、中露の相互ビザ免除は両国政府と国民による「再びの双方向の歩み寄り」だと述べた。
当時、ネット上では「自分の国の国民に対し、戦争の真っ只中にある他国へ観光に行くよう奨励する国なんて初めて見た。自国民が現地で搾取されると分かっていながら、その国への旅行を宣伝する国も初めて見た。これは血肉の長城(人々の身体・犠牲によって築かれた防壁
)などではない。ただの『生きた豚の輸出』だ」との批判も寄せられた。

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