遺伝子解析最大手BGIが妊婦DNAを収集 ポンペオ前長官、「全世界で阻止せねば」
米国のマイク・ポンペオ(Mike Pompeo)前国務長官は8日、中国の遺伝子解析最大手BGIグループ(華大集団)が世界中の妊婦からDNAを収集する報道について、「これは中国が世界征服を目指していることを示している」と指摘した。
ポンペオ氏は8日、ポッドキャスト「The Interview with Hugh Hewitt」の中で、「中国共産党のやることは、もはや私を驚かせることはできない」
「彼ら(中国共産党政府)のやることはすべて軍隊と関係している。民間企業のベールの下にある全てが、政府と軍隊と関係がある」と指摘した。
ロイター通信は7日、BGIグループが中国軍と共同開発した出生前検査のデータを二次利用していると報じた。同グループは、国家安全保障に直接関連する場合には、データを中国当局に提出すると規定している。
BGIと軍が共同開発した出生前検査「NIFTY」は2013年より海外で販売され、母体からの採血によって胎児の異常を調べる「非侵襲的出生前検査(NIPT)」として世界で最も販売されている検査の1つとなっている。世界中の妊婦数百万人に利用されている。
BGIが2018年に発表した研究によれば、軍用スーパーコンピュータを使用して、NIFTYのデータの再分析が行われていたことが分かった。これらのデータを使って、中国人女性のウイルスの感染状況とマッピングさせて、女性の精神疾患の指標を特定している。また、チベット人とウイグル人の少数民族を選び出し、その遺伝子間の特徴を探ったりしていた。
ポンペオ氏は、BGIの出生前検査に関する報道からも、中国が遺伝子に基づいて特徴を作り出す方法を見つけようとしていることがわかる、と指摘した。
同氏は「これは、共産党政権が世界覇権を目指すための、広範な情報収集の取り組みだ」と警告し、「中国のこのような企業を、世界は立ち上がってそれを阻止しなければならない」と呼びかけた。
米政府は3月にも、BGIが人工知能を使用して大量の遺伝子データを収集・分析していると警鐘を鳴らした。また、このような取り組みで、中国が経済的・軍事的な優位性を獲得できる可能性を警告した。
複数の政府関係者は、「この技術は中国を世界の製薬業界における支配的な地位に押し上げる可能性がある」と指摘していた。
中国共産党政権はまた、軍事力強化のために兵士の遺伝子を組み換えしたり、米国人や食糧供給を標的とした人工的な病原体の研究が行われる可能性もあるという。
2020年12月6日、当時のジョン・ラトクリフ(John Ratcliffe)米国家情報長官は、「情報によれば、中国は世界を支配するために、『遺伝子編集』を使用して軍事力を強化している」「中国が成功すれば、個人の自由などの価値観が危険にさらされるだろう」と警告を発した。
(翻訳編集・李凌)