【歌の手帳】めぐり逢ひて
めぐり逢ひて見しやそれとも分かぬ間に雲隠れにし夜半(よは)の月影(新古今)
歌意「七月(ふづき)十日のころ。久しぶりに、幼馴染みに会うことができた。それにしても、さっき目にしたのは、懐かしいあの人だったのかしら。はっきり見分けもつかぬうちに、帰ってしまったわ。夜半の月が雲に隠れるようにして」。
紫式部(970~1016頃か)の作。「さては紫式部。昔懐かしい殿方と再会か」と思ったら、会ったのは「女友だち」でした。もう少し長く話したかったけど、彼女は「夫が待っているので」と言って、早々と帰ってしまったようです。
あ、「夫が待っているので」の部分は私の想像です。ただ、歌中ににじむ紫式部の名残惜しさは、そこからくるのではないかな、と思うわけです。
(聡)
(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!
関連記事

春の終わりに体調を整える薬膳法を紹介。五行に基づき、湿気や風の影響を受けやすいこの時期に最適な食材とレシピで、健康を守る方法を学びましょう。

「身近にあるありがたさ」を忘れがちな私たちに贈るイソップ物語。プラタナスの木が教える、感謝の大切さと謙虚さを再確認できる話です。

豪華な装飾品を誇らしげに見せた經侯に、魏の王子は静かに語った。「真の宝とは、誠実な王、忠実な臣下、徳を備えた民である」と。価値とは何かを問う物語。

年齢とともに失われる肌の潤いやハリ。中医学では「滋陰養血」と臓腑の調和が美肌の鍵とされ、真珠粉や漢方素材による内側からのケアと、ツボ押しや美容茶など外からのアプローチを組み合わせることが推奨されています。

食品に使われる乳化剤が、腸内環境を乱し、がん・心疾患・糖尿病のリスクを高める可能性があると複数の研究が報告。日常的に口にする加工食品の“見えない影響”に注目が集まっています。