オーストラリアのピーター・ダットン国防相(Cameron Spencer/Getty Images)

米豪合同演習、中国軍のスパイ船が偵察=報道

米豪両軍による大規模な合同演習が実施される14日、豪州のピーター・ダットン国防相は中国軍のスパイ船が同国の外海で監視を始めたと明らかにした。

同日から、米豪両軍は豪クイーンズランドで2年に1度の軍事演習「タリスマン・セイバー(Talisman Sabre)2021」を正式に実施する。

豪ABCニュースなど複数のメディアによると、ダットン国防相は、中国軍の情報収集艦「天王星」がトレス海峡を経由してオーストラリアの東海岸に接近していると明らかにした。豪軍は「数日間」、中国のこの軍用船を注意深く監視していたという。

中国軍の「天王星」は豪当局の呼びかけに対して、「国際海洋法に則って活動している」と主張したという。「天王星」はオーストラリア領海の外側に泊まるとみられるが、海岸から200海里離れるオーストラリアの排他的経済水域内に居続けるとみられる。

今回の「タリスマン・セイバー」には、米豪両軍以外に、日本、韓国、ニュージーランド、英国などの軍も参加する予定。

報道によると、中国側のスパイ船は米豪の軍事情報のほか、日本の陸上自衛隊が保有する水陸機動団(Amphibious Rapid Deployment Brigade)の情報も収集しようとしている。同機動団は、中国当局の船艇が近年、尖閣諸島(中国名は釣魚島)周辺の領海に頻繁に侵入したことを受けて、離島の防衛、奪還などを目的に2018年に新編された。

いっぽう、ダットン国防相によると、中国軍の815型電子偵察艦や情報収集艦「海王星」も近く、同排他的経済水域に現れる可能性がある。

(翻訳編集・張哲)

 

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]