前米国際宗教自由大使「中国共産党は衰退している」
米国のサム・ブラウンバック前国際宗教自由特命全権大使は、7月14日にワシントンで開催された国際宗教自由サミットで、中国共産党が信仰との戦いを激化させているとし、それが共産党の弱さの表れでもあると大紀元に述べた。
「これは政権が崩れかけている時の兆候だ」という。同氏は「中国共産党はより自由ではなく、より残忍になっている。オープンで協力的ではなく、各国をいじめる戦略を取るようになっている」と同政権を批判した。
対照的に、自信に満ちた政権は、批判者を追い詰めるのではなく、自らの欠点を率直に認めているとブラウンバック氏は述べた。
ブラウンバック氏は、中国共産党の厳しさと残忍さが増していることや、ハイテクを駆使した監視の強化は、「政権が衰退していることを示している」と述べた。
同氏は、かつては中国共産党を怒らせることを恐れて中国の人権侵害を「見て見ぬふり」していた世界の国々が、声を上げ始めていると述べ、この傾向はトランプ政権が中国共産党に対して厳しい姿勢を示した後に始まったと前政権の対中政策を評価した。
ここ数カ月、米国をはじめとする各国は、新疆や香港での中国共産党の弾圧を一斉に非難している。そして、2022年の北京冬季オリンピックをボイコットする動きが各国で出て来ている。
米国が国家安全保障上の脅威として指定した中国の通信機器大手ファーウェイを排除する国が増えていることを念頭に、「パートナーや友人をずっと乱暴に扱っていると、やがて必ず『もうこんなことに耐えるのはうんざりだ』と愛想をつかされる」と同氏は述べた。
また、法輪功への迫害が始まってからまもなく22年。ブラウンバック氏は法輪功学習者に応援メッセージを送った。
ブラウンバック氏は、法輪功に対して中国共産党は「最も極悪非道な戦術」を展開しており、「それは中世より酷い恐ろしい戦術」であるとしたうえで、迫害は 「悲劇」だが、希望はすぐそこにあると信じていると励ました。
「中国共産党は信仰と戦っているが、それは彼らが勝つことのできない戦争だ」
「人類の歴史には、信仰を持つ人々を迫害する政権や政府が散見している。短期的には、統治者は多くの苦痛を与えることができる。長期的には決して勝つことはできない」「精神は肉体よりも強いからだ」と力説した。
「真、善、忍」を提唱する法輪功の学習者に対して行われている弾圧と、「銃剣と銃弾と拷問」で学習者を潰そうとする党の意図は、「中国共産党の妄想」と共産主義指導者の「堕落」を代弁していると、クリス・スミス議員(共和党)は大紀元に語った。
中国の指導者、習近平氏は、法輪功の迫害も含めて、大量虐殺や人道に対する罪を犯しているとスミス議員は述べている。
中国でも、中国共産党の高圧的な支配が裏目に出ている可能性が高いと、米政府独立機関の米国際宗教自由委員会(USCIRF)の元委員、ジョニー・ムーア氏は言う。
「彼らは軌道修正する必要がある」と同氏は大紀元に語った。ムーア氏自身が中国政府から制裁を受けたことは、中国政府の弱さの表れだという。彼の説明によれば、ここ数カ月で彼は51人目の制裁対象となったという。
中国政府は5月、法輪功学習者を支持したとして、同氏への制裁を発表した。
サミットの講演者には、マイク・ポンペオ前国務長官、アンソニー・ブリンケン現国務長官のほか、多数の連邦議会議員、人権活動家、宗教的迫害を受けた生存者などが名を連ねている。
ポンペオ氏は7月14日、トランプ政権が終了間際に新疆ウイグル人に対する弾圧をジェノサイドに認定した米国の決定について、「その後、同盟国の間で追随する国が増えている」と語った。
「信教の自由ほど、基本的な権利はない」と彼は語った。
「私たちはいつも『二度と繰り返さない』と言っている。しかし、世界が専制政治を容認すると、歴史は繰り返される」とポンペオ氏は述べた。
(翻訳編集・李沐恩)