世界最大規模かつ最も完璧に保存されている宮殿建築群―故宮(紫禁城)(Vincent St Thomas / PIXTA)
世界最大規模かつ最も完璧に保存されている宮殿建築群―故宮(紫禁城)(Vincent St Thomas / PIXTA)

中国建築上の十の奇跡(六)―北京の故宮(紫禁城)

 

北京の故宮は「紫禁城」とも呼ばれ、北京の中心に位置しています。故宮の敷地面積は72万平方メートル、建築面積は約15万平方メートルあり、敷地内には、70棟以上の様々な宮殿が建てられており、その部屋数はなんと9000近くあります。故宮は世界最大規模かつ最も完璧に保存されている宮殿の建物として謳われています

故宮は永楽四年(1406年)に明の成祖・永楽帝によって着工され、100万人集めて、14年間かけて、永楽十九年(1421年)にようやく竣工しました。永楽帝は北平を北京に改名し、北京へ遷都しました。それ以来、故宮は明と清で合わせて24人の皇帝の居城となりました。

紫禁城の「紫」は星宿の紫微垣(北極星)から取ったものです。古代人は紫微垣が安定していて、他の星がその周りを回っていることを信じていたので、皇帝の星とも呼ばれていました。「禁」は禁地、庶民が立ち入り禁止の意味です。つまり、紫禁城は皇帝専用の居城です。

永楽帝は紫禁城で天下を治める最初の皇帝となりました。中国の伝統文化の中には「天人合一」の思想があります。皇帝は天の意志の代表者として、世間の中心です。紫禁城中の建物は煌びやかで、壮麗かつ雄偉であり、全て天子の崇高と威厳を表しています。

(文・羅瓊/翻訳編集・千里)

関連記事
都市開発で失われた故郷の村を、母と息子が裏庭に再現。20年以上かけて築かれた小さな村は、今や訪れる人々に安らぎをもたらす癒しの空間となっている。
コレステロールは健康維持に不可欠な物質であり、摂取量よりも体内での処理と管理が重要です。炎症や肝機能、生活習慣の改善が鍵を握ります。
糖尿病の方や低糖質食実践者でも楽しめる、血糖値に優しい7種のおやつを紹介。食べ方や選び方のコツを押さえれば、おやつは我慢せず賢く楽しめます。
印刷物の読書は、スクリーン読書と異なり、脳の深い処理を促進し、記憶力や理解力、情緒や社会性の発達に良い影響を与えることが、神経科学の研究で明らかになっています。
薬を使わずに血糖値を正常化――著者であり神学校学長の劉志信博士が、ケトン食、断食、運動、そして信念の力によって糖尿病を克服した方法を語ります。