大紀元エポックタイムズ・ジャパン

【歌の手帳】夕されば

夕されば物思(ものもひ)まさる見し人の言問ふ姿面影にして(万葉集

歌意「夕暮れ時になると(昼間よりも)物思うことが増してきます。お目にかかったあの殿方の、私へ問いかけるお姿が、面影となって立ち現われてきますから」。

笠女郎(かさのいらつめ)。奈良時代の女流歌人です。この頃は、約300年後の平安時代とは違って、詩歌に見られる女性の愛情表現が、ずいぶん動的でストレートであるように思います。

笠女郎も、そんな女性だったのでしょう。歌中の殿方(たぶん大伴家持)への恋心はあふれるほどなのですが、それにじっと耐えて、自制している姿が目に浮かんでくるようです。家持よりも、笠女郎のほうが年上だったと推測されます。

夏の夕暮れ時に、あなたは誰を思いますか。

(聡)

 

(読者の皆様へ)下のコメント欄へ、ご自作の「短歌」「俳句」をお寄せください。歌にまつわるお話も、ぜひお書き添えください。皆様とともに作り上げる、楽しいコーナーにしたいと願っております。なお、狂歌や川柳は、また別の機会とさせていただきます。お待ちしております!

関連記事
世界中の美しいカフェ10選を巡る旅へ。歴史と芸術、文化が交錯する特別な空間で、至福の一杯を味わいませんか?
吉祥寺マルイにて、台湾が誇る漢方食材や東洋の叡智を感じられる商品を販売します。さらに、台湾ならではの味を楽しめ […]
インドの若きモデルマネージャーが語る、ファッション業界で輝き続ける秘訣。「真・善・忍」の実践がもたらす内面の美と成功への道とは?
リンゴには健康をサポートする多彩な効能が詰まっています。日々の健康を手軽にサポートするリンゴの驚くべきパワーとは?美味しくて栄養満点、毎日の食事に取り入れたいリンゴの魅力をご紹介します。
日本料理の「五味五色」が生む健康の秘密。陰陽五行に基づく養生観が、日本人の長寿とバランスの取れた食文化を支えています。