香港を離れる市民が別れを惜しんでいる(余鋼/大紀元)

香港空港で混雑、英入国の特別許可LOTR期限満了

英国政府が、一部の香港市民を対象とする特別入国許可LOTR(Leave Outside the Rules)の取り決めが19日で失効するため、前日の18日にロンドン行きの搭乗カウンターは、旅だつ香港市民やその見送りの人たちで賑わった。

20日以降、英国へ渡航希望の香港人はBNO旅券の取得が必要条件となる。

反体制派を取り締まる香港国家安全維持法(国安法)の施行を受け、旧宗主国の英国は、香港が返還される1997年前に生まれた香港市民に対し、英国に半年間滞在できる「英国海外市民(BNO)旅券」を出してきた。

BNO旅券保有者とその家族は今年1月1日に発効した特別ビザを申請することができるが、英国では特別ビザを申請する前に入国できるようLOTR(Leave Outside the Rules)の取り決めを行っている。

空港で友人や家族との別れを惜む人たちが、抱き合ったり、記念撮影したりしていた。見送り人の中には、その場で泣き崩れた人もいる。

昨年半ばに家族の移民を検討し始め、5月上旬に申請が承認され、空港で搭乗手続きする王さんは涙を浮かべながら「香港を離れる決断をするのに苦労した」「しかし、香港にいる毎日の気分は、今日の空のようにどんよりしている」と香港紙・明報に述べた。

「子供たちに選択するチャンスを与えたい」と考えた王さんは香港から離れることを決意した。

英国留学を予定する女性の張さんは、「抗議運動以来、香港はもはや香港ではないと感じている」「言論の自由などの基本的な権利さえも失われている。親中派または反対派と見なされるのを懸念して、人々は黒や黄色の服を着る勇気がない」と述べた。女性の李さんは、香港を離れる主な理由は、「中国当局による洗脳政策に対する不安や恐怖」とした。しかし、「もし将来、香港の政治環境が改善されれば、香港に戻るかもしれない」と述べた。

英政府はこれまでLOTRの申請を何度も延長してきた。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]