腎臓移植の準備をする医師たち(Pierre-Philippe Marcou/AFP/Getty Images)

「海外の出所不明の臓器移植および人体展」禁止法案、英議会で第二読会通過

英国の「The Organ Tourism and Cadavers on Display Bill(臓器移植ツーリズムと人体展示に関する法案)」は16日、上院で第二読会を通過した。同法案が成立すれば、英国市民が海外で出所不明の臓器移植を受けることや、同国国内での出所不明の人体の展示は禁止される。

法案は英上院議員のフィリップ・ハント卿(Lord Hunt of Kings Heath)によって出されたもので、英国市民が中国当局の臓器狩り犯罪への加担を防ぐことを目的としてる。

ハント卿は上院で、「臓器提供は命を救う尊い行為だが、強制的な臓器摘出は商業化された殺人であり、間違いなく最も重大な犯罪だ」と批判した。

英国民保健サービス(NHS)の統計によると、2010~20年7月までの間で、29人の英国人患者が中国で臓器移植を受けたことが判明した。

同法案は、臓器提供者またはその近親者が自発的に提供したインフォームド・コンセントがない場合、あるいは臓器提供者または第三者が金銭などの利益を得ている場合、英国民は海外で臓器移植を受けることができないと定めている。

また、同法案では、英国と「密接な関係」を持つ個人が、国外で人間の臓器を取引することを禁止している。

さらに、記録はドナーの身元を特定可能にする必要があることも規定され、NHSに英国市民が国外で受けた移植手術の状況について、年次報告を義務付けている。

人体展に関しては、英国と同等基準の同意書などの書類がない場合、海外からの人体を英国内で展示することを禁じる規定となっている。

英元検事総長ジェフリー・ナイス卿(Sir Geoffrey Nice QC)が議長を務める「民衆法廷」は2019年、中国本土で「強制的な臓器摘出が、相当な規模で行われている」ことや、その最大規模の犠牲者は、法輪功学習者であると満場一致で裁定を下した。

先月、国連と関連する人権専門家グループは、「中国で拘束されている法輪功学習者、ウイグル人、チベット人、イスラム教徒やキリスト教徒などのグループが臓器狩りを受けている報道に多大なる衝撃を受けた」と述べた。

(翻訳編集・李凌)

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