中国当局は配車サービス大手の滴滴に対する一連の規制措置を発表した(STR/AFP/Getty Images)

米著名投資司会者、中国株への投資に反対 当局の規制リスクに懸念

米国のテレビタレントで、CNBCの投資・投機番組「Mad Money」の司会を務めるジム・クレイマー(Jim Cramer)氏は2日、「中国企業の株式には当局の規制リスクがあるため、安心して保有できない」と述べて、投資家に注意を促した。

「共産主義政府が営利企業に非営利企業への変更を強要した時、そこはもう安全な投資場所ではなくなった」と同番組でクレイマー氏は指摘した。

また、「中国政府による滴滴出行(ディディ)などの新規上場企業に対する数週間に及ぶ取り締まりが落ち着いてきた、と一部の投資家は見ているが、それは信用できない」

「中国当局が滴滴出行や民間教育企業を取り締った後、中国株にセカンド・チャンスを与えるのは無責任だと思う」

「歴史を振り返れば、独裁政権が強硬行動を取った後、自分のカモになるより多くの愚か者をおびき寄せるために、一変して優しい顔になったのを見てきた」

「これが私たちの現在の状況だ。あなた(投資家)はこの穏やかな期間中に、プレイを試みることはできるが、中共がいつ再度取り締るのかはわからない」と同氏は述べた。

クレイマー氏は長年、ほとんどの中国株に関して慎重な態度をとってきた。中国の配車サービス最大手の滴滴出行が6月末に米ニューヨーク証券取引所(NYSE)に新規上場する前、同氏は珍しく、滴滴についての前向きな情報を発信していた。

しかし、わずか数日後に、中国の規制当局はデータセキュリティやプライバシー保護などを理由に、滴滴に対する一連の規制措置を発表した。 

ここ数週間、他の中国のテクノロジー企業も中国当局のより厳しい審査に直面し、その結果、株価が暴落している。しかし、最近の数日間で、中国株は小幅だが回復の兆候を見せている。

米経済紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は7月31日、米投資家は「中国企業にリスクを冒してまで投資するだけの価値があるのか、について考えている」と報じた。

中国当局は最近、中国企業に対する規制を強化している。その影響を受けて、米市場に上場した中国企業の価値は約4000億ドル(約43兆5919億円)が「蒸発」した。

(翻訳編集・李凌)

関連記事
社会報復事件頻発を受け、上海地下鉄駅の訓練内容に変化? 社会への報復を目的とした事件が相次ぐ中国で、上海の地下鉄駅における安全訓練が「対テロ」を想定したものへと進化している。これには、乗客を巻き込む刃物事件への対応や爆発物対策、さらには電子広告スクリーンに反政府スローガンが表示されるケースなど、公共および政治的安全を強化する取り組みが含まれている。
湖南省株洲市の湘江で、ウイルスサンプル収集用試験管が大量に発見され、住民たちは感染リスクに怯えています。当局は「未使用で損傷はなく、ウイルスは検出されなかった」と発表しましたが、専門家や市民の間で疑問の声が広がっています。試験管の正体や流出の経緯について調査が進む中、不安は収まりません。病院も研究所を信用できないのは間違いない。中国ではコロナが収束していないというのは、こういうことなのか?
米司法省は最近、IR事業をめぐり日本の政府関係者に賄賂を渡すよう指示して、中国企業のCEOを海外腐敗行為防止法違反の容疑で起訴した。
ニセモノ摘発も命がけ、道徳低下した中国社会。中国福建省の展示会で、偽商品の摘発を目的とするインフルエンサーが暴行を受ける事件が発生しました。「福建鉄鉄」のカメラマンが問題商品を通報したことがきっかけで、出品者らから集団暴行を受けたとされています。この事件は、中国SNSやメディアで大きな注目を集めており、現在、市場管理局と公安当局が調査を進めています。偽商品撲滅の活動が招いた事件の経緯とその背景に迫ります。
19日、中国江蘇省連雲港市にある国有企業「中国化学工程第十四建设有限公司」の正門前で、ある女性が滞納された給料の支払いを求めて会社管理者の足に抱きつき泣き叫ぶ姿が撮影されました。この動画はSNSを通じて拡散され、多くの人々に衝撃を与えています。女性の訴えに耳を貸さない企業の対応と、中国社会で頻発する同様の問題に、ネット上では悲しみと怒りの声が相次いでいます。「惨め過ぎる」労働者の姿。官製メディアが宣伝する「盛世(繁栄)」中国のリアル。経営者が人間なのか? 人間であれば、会社をつぶす決意をして、会社財産を売って、給料を支払うはずだが。